パイプユニッシュでトイレつまりは解消できる?効果的な使い方と代替案


トイレつまりでお困りの際、手軽に購入できるパイプユニッシュを使いたいとお考えではありませんか。
この記事ではパイプユニッシュのトイレつまりへの効果と限界について詳しくお伝えします。
パイプユニッシュの成分や仕組みから、実際のトイレつまりへの効果、正しい使用方法、さらに効果的な代替薬剤まで網羅的に解説いたします。
結論としては、パイプユニッシュはトイレつまりには効かない(トイレつまりを解消できない)です。
軽度のつまりには多少は効果が期待できますが、重度のつまりには限界があります。
「トイレつまりが解消したらラッキー」くらいの気持ちで使いましょう。
- トイレつまりにパイプユニッシュを使おうと思っている人
- パイプユニッシュの正しい使い方を知りたい人
- トイレつまりを手軽に解消したい人
- 他のトイレつまり解消方法を知りたい人
パイプユニッシュの基本知識


トイレつまりでパイプユニッシュの使用をお考えの方は、まずパイプユニッシュとはどのような薬剤なのかを正しく理解することが重要です。
水道修理の現場でさまざまな薬剤を使用してきましたが、パイプユニッシュについて多くの誤解があることを実感しています。
パイプユニッシュは確かに優秀な洗浄剤ですが、すべての排水つまりに効果があるわけではありません。
その特性を理解して適切に使用することで、本来の効果を発揮できるのです。
パイプユニッシュの仕組みと成分解説
パイプユニッシュは、強力なアルカリ性洗浄剤として設計された水溶性の薬剤です。
主成分は水酸化ナトリウムや次亜塩素酸ナトリウムなどのアルカリ性物質で構成されています。
この薬剤の作用メカニズムは、アルカリ性の化学反応によってタンパク質や油脂を分解することにあります。
具体的には、髪の毛や皮脂、石鹸カスなどの有機物に対して効果を発揮し、これらを溶解・分解して排水管の流れを改善します。
主要成分 | 濃度 | 効果 |
---|---|---|
水酸化ナトリウム | 1-3% | タンパク質分解 |
次亜塩素酸ナトリウム | 0.5-1% | 除菌・漂白 |
界面活性剤 | 微量 | 汚れの浮上 |
ただし、このアルカリ性という特性こそが、トイレつまりに対する効果を限定的にする要因でもあります。
アルカリ性洗剤は酸性の汚れには効果的ですが、同じアルカリ性の物質や無機物には効果を発揮できません。
アルカリ性洗剤としての特性
パイプユニッシュのアルカリ性という特性を理解することで、どのような場面で効果的なのかが明確になります。
私の経験上、pH値が12程度の強アルカリ性であることが、その効果と限界を決定していると言えるでしょう。
アルカリ性洗剤の特徴として、以下のような効果があります。
まず、タンパク質を分解する作用が強く、髪の毛や皮脂汚れに対して優れた効果を発揮します。
また、油脂の乳化作用により、石鹸カスや料理の油汚れを効果的に除去できます。
しかし、アルカリ性洗剤には明確な限界もあります。
尿石などの同じアルカリ性の汚れに対しては効果がほとんどありません。
これは化学的に同じ性質を持つもの同士では中和反応が起こりにくいためです。
さらに、トイレットペーパーなどのセルロース繊維は水に溶ける性質を持っていますが、パイプユニッシュの化学作用では分解速度を大幅に向上させることはできません。
つまり、物理的なトイレつまりの原因となる固形物に対しては効果が期待できないのです。
これがパイプユニッシュはトイレつまりに効果がないと言い切る理由です。
本来の使用目的と対象箇所
メーカーが推奨するパイプユニッシュの本来の使用目的は、排水管のつまりを予防するための定期的な清掃です。
私がお客様にお伝えしているのは、「治療薬ではなく予防薬として考えてください」ということです。
対象箇所としては、キッチンシンクの排水口、洗面台の排水口、浴室の排水口が主な使用場所として推奨されています。
これらの場所では、髪の毛、皮脂、石鹸カス、料理の油汚れなど、パイプユニッシュが得意とする汚れが蓄積しやすいからです。
使用場所 | 対象となる汚れ | 効果レベル |
---|---|---|
キッチンシンク | 油汚れ・食材カス | 高い |
洗面台 | 髪の毛・石鹸カス | 高い |
浴室 | 皮脂・シャンプー残り | 高い |
トイレ | 排泄物・尿石 | 限定的 |
重要な点として、パイプユニッシュの取扱説明書には「トイレのつまりの解消はできません」と明記されていることを知っておいてください。
ジョンソン株式会社の公式見解では、トイレットペーパーなどの分解が困難であり、ラバーカップなどの物理的な方法が推奨されています。
したがって、トイレでの使用を検討される場合は、メーカー推奨外の使用となることを理解し、自己責任での使用となることを十分にご理解ください。
私としては、トイレつまりには記事後半で紹介する、トイレつまり専用の薬剤や適切な道具を使用することをお勧めしています。
トイレつまりへの効果検証


私は長年水道修理の現場に携わってきましたが、「パイプユニッシュでトイレつまりが直るか」というご質問を非常によくいただきます。
結論から申し上げますと、パイプユニッシュはトイレつまりには効果がないというのが正直なところです。
実際の修理現場では、お客様が「パイプユニッシュを試したけれど効果がなかった」とおっしゃるケースと、「軽度のつまりが解消された」とおっしゃるケースの両方を経験しています。
この違いは、トイレつまりの原因と程度によるものです。
効果が期待できるケース
私の経験上、パイプユニッシュが効果を発揮するのは以下のようなケースです。
これらの状況では、軽度のトイレつまりであれば解消できる可能性があります。
つまりの原因 | 効果の程度 | 解消までの時間 | 注意点 |
---|---|---|---|
油脂類(食べ残し等) | 高い | 15-30分 | 完全に固化したものは効果薄 |
タンパク質系汚れ | 中程度 | 30-60分 | 大量の場合は複数回必要 |
石鹸カス | 高い | 15-30分 | アルカリ性のため相性良好 |
軽度の有機物蓄積 | 中程度 | 30-45分 | 予防的使用が効果的 |
例えば、嘔吐物や食べ残しが原因のトイレつまりの場合、パイプユニッシュの強力なアルカリ性成分が有機物を分解し、つまりを解消することがあります。
ですが、トイレに「食べ残し」「石鹸」を流すようなことはほとんどないと思います。
また、トイレの流れが悪くなってきた程度の軽度なつまりであれば、排水管内の汚れ除去により改善される可能性があります。
ただし、効果が期待できる場合でも、即座に劇的な改善を期待するのは現実的ではありません。
段階的な改善を見込んでの使用をおすすめします。
効果が期待できないケース
一方で、現場で経験してきた多くのトイレつまりは、残念ながらパイプユニッシュでは解決できないケースです。
以下のような原因によるつまりでは、効果はほとんど期待できません。
つまりの原因 | パイプユニッシュの効果 | 理由 | 推奨対処法 |
---|---|---|---|
トイレットペーパー | ほぼなし | 紙製品は分解されない | ラバーカップ等の物理的除去 |
固形物(おもちゃ等) | 全くなし | 化学的分解不可能 | 専門業者による除去作業 |
尿石 | ほぼなし | 同じアルカリ性のため中和されない | 酸性洗剤での除去 |
生理用品・おむつ | 全くなし | 吸水性材料のため膨張 | 即座に専門業者へ依頼 |
特に注意していただきたいのは、大量のトイレットペーパーによるつまりです。
これは最も一般的なトイレつまりの原因ですが、トイレットペーパーはパイプユニッシュでは分解できません。
むしろ、パイプユニッシュを使用することで時間を無駄にしてしまい、つまりが悪化する可能性もあります。
また、尿石によるつまりも要注意です。
尿石はアルカリ性の固形物のため、同じくアルカリ性のパイプユニッシュでは中和されず除去できません。
このような場合は、酸性の洗剤を使用する必要があります。
メーカー推奨の使用範囲
パイプユニッシュの製造元であるジョンソン株式会社の公式見解を確認してみましょう。
メーカーの公式FAQ には以下のように明記されています。
パイプユニッシュのラベルを見てみると、メーカー自身がトイレつまりの解消を主目的とした製品ではないと明言しています。
パイプユニッシュの本来の用途は以下の通りです。
推奨使用場所 | 主な目的 | 対象となる汚れ | 使用頻度 |
---|---|---|---|
キッチン排水口 | 予防・軽度除去 | 油汚れ、食材カス | 週1-2回 |
浴室排水口 | 予防・軽度除去 | 髪の毛、石鹸カス | 週1-2回 |
洗面台排水口 | 予防・軽度除去 | 髪の毛、歯磨き粉 | 週1回 |
洗濯機排水口 | 予防 | 糸くず、洗剤カス | 月1-2回 |
このように、パイプユニッシュは「トイレつまりを解消する薬剤」というよりも、「水まわりの排水つまりを予防するための定期メンテナンス用薬剤」として位置づけられています。
私としては、すでにトイレつまりが発生している状況では、ラバーカップ等による物理的なつまり通う方法を最初に試していただき、それでも解決しない場合は専門の水道修理業者にご相談いただくことをおすすめしています。
トイレでパイプユニッシュを使う方法


それでも、どうしてもパイプユニッシュをトイレつまりに使用される際は、必ず正しい手順と安全対策を講じていただきたいと思います。
メーカーがトイレでの使用を推奨していないため自己責任での作業となりますが、安全に配慮した方法をご説明いたします。
事前準備と安全対策
まずパイプユニッシュを使う際には注意書きをよく読みましょう。
私がお客様にお伝えしている事前準備について詳しくご説明いたします。
作業を開始する前に、以下の準備を必ず行ってください。
換気扇を回し、窓があれば開けて十分な換気を確保することが最優先です。
パイプユニッシュは強力なアルカリ性洗剤のため、作業中に発生する可能性のあるガスから身を守る必要があります。
安全装備として、ゴム手袋、保護メガネ、マスクを着用するのがベストです。
特にゴム手袋は、薬剤が皮膚に直接触れることを防ぎます。
また、作業中に薬剤が跳ね返る可能性もあるため、汚れてもいい古い衣服を着用することをおすすめします。
また、酸性の薬剤と同時に使用してはいけません。有毒な塩素ガスが発生します。
準備項目 | 必要性 | 注意点 |
---|---|---|
換気設備 | 必須 | 作業前から作業後まで継続 |
ゴム手袋 | 必須 | 厚手のものを選択 |
保護メガネ | 推奨 | 薬剤の跳ね返り防止 |
マスク | 推奨 | ガス吸入防止 |
バケツ | 必須 | 洗い流し用の水を準備 |
トイレ周りの準備として、便器の水位を確認し水が溢れないよう注意してください。
また、洗い流し用の水をバケツに十分に準備しておくことで、作業をスムーズに進めることができます。
正しい手順とコツ
パイプユニッシュの効果を最大限に発揮させるには、正確な手順と適切な量の使用が重要です。
まず、便器内の水位を確認し、通常より水位が高い場合は適度に水を汲み出してください。
パイプユニッシュの効果を高めるためには、薬剤が薄まりすぎないことが大切です。
次に、パイプユニッシュを便器の排水口周辺に4~5目盛り程度注ぎます。
この際、一箇所に集中して注ぐのではなく、排水口の周囲に均等に回しかけることがコツです。
薬剤が排水管の内壁に均等に行き渡ることで、より効果的な洗浄が期待できます。
薬剤を注いだ後は、15分から30分程度放置します。
この時間が重要で、短すぎると効果が不十分、長すぎると後述するリスクが発生する可能性があります。
私の経験では、軽度のつまりであれば20分程度が適切な時間だと感じています。
放置時間が経過したら、バケツに準備しておいた水を勢いよく注ぎ、パイプユニッシュを完全に洗い流します。
この際、熱湯は絶対に使用せず、常温の水を使用してください。
失敗を避けるための注意事項
パイプユニッシュを使う際には絶対に知っておくべき注意点があります。
パイプユニッシュ使用時に絶対に避けるべき危険な行為について詳しくご説明いたします。
これらの注意事項を守らないと、深刻な事故につながる可能性があります。
薬剤の混合による危険
最も危険な行為は、パイプユニッシュと他の洗剤を混合することです。
パイプユニッシュはアルカリ性洗剤のため、酸性タイプの製品と混ぜたり、一緒に使うと、有害な塩素ガスが発生します。
また、食酢やアルコール、アンモニア等と混ざると有害なガスを発生します。
具体的には、サンポールなどの酸性トイレ洗剤、塩素系漂白剤、その他の排水管洗浄剤との併用は絶対に避けてください。
作業前にトイレを他の洗剤で清掃した場合は、十分に洗い流してからパイプユニッシュを使用することが重要です。
私がお客様にお伝えしているのは、「混ぜるな危険」の表示がある製品同士は絶対に同時使用しないということです。時間をあけて使用する場合でも、完全に洗い流してから使用することを徹底してください。
温度による化学反応のリスク
パイプユニッシュと熱湯を組み合わせることも非常に危険です。
熱湯を注ぐことで洗剤が急速に分解され、塩素系有害ガスが発生する可能性があります。
また、便器自体への影響も考慮する必要があります。
陶器製の便器は急激な温度変化に弱く、熱湯を注ぐことでひび割れが生じる可能性もあります。
私が修理で伺った現場でも、熱湯使用による便器の割れを何度か見たことがあります。
洗い流す際は必ず常温の水を使用し、温かい程度のお湯でも避けることをおすすめします。
安全を最優先に考えた作業を心がけてください。
長時間放置のリスク
パイプユニッシュを長時間放置することで生じるリスクについても、正しく理解していただきたいと思います。
「長く置けば効果が高まる」という考えは危険です。
30分を超えて放置すると、溶けた汚れが排水管内で再び固まり、より深刻なつまりを引き起こす可能性があります。
例えば、一晩放置したパイプユニッシュが排水管内で固化し専門的な高圧洗浄が必要になったケースもありました。
また、薬剤が長時間便器内に留まることで、便器の材質に悪影響を与える可能性もあります。
陶器の表面が荒れたり、変色したりする場合があるため、指定された時間を厳密に守ることが重要です。
私がお客様にお伝えしている目安は、軽度のつまりであれば15分、やや重度の場合でも最大30分までということです。
それ以上の効果を期待する場合は、パイプユニッシュではなく、より適切な薬剤や道具を使用することをおすすめします。
より効果的なトイレつまり解消薬剤


パイプユニッシュでは解決が難しいトイレつまりでも、つまりの原因に適した薬剤を選ぶことで効果的に解消できる場合があります。
トイレ詰まりの原因に応じて最適な薬剤を選択することが解決への近道だと実感しています。
ここでは、トイレつまりの原因別により効果的な薬剤をご紹介いたします。
ただし、どの薬剤も使用方法を間違えると危険ですので、必ず取扱説明書をよく読んでから使用してください。
つまりの原因 | 推奨薬剤 | 薬剤の特性 | 効果の期待度 |
---|---|---|---|
尿石・黄ばみ | サンポール | 酸性洗剤 | 高い |
有機物・食べ残し | オキシクリーン | 酵素系洗剤 | 中程度 |
頑固な汚れ全般 | ピーピースルー | プロ仕様強力洗浄剤 | 高い |
尿石除去に特化した酸性洗剤ならサンポール
サンポールは、尿石や黄ばみの除去に特化した酸性洗剤として、多くのご家庭で愛用されている製品です。
私もお客様のトイレつまり修理で頻繁に使用している信頼できる薬剤の一つです。
サンポールの主成分は塩酸で、アルカリ性の尿石を効果的に分解してくれます。
特に、便器の内側や排水口付近に蓄積した尿石が原因のつまりには高い効果を発揮します。
使用方法は比較的簡単で、便器内にサンポールを注ぎ、15分程度放置した後に十分な水で洗い流します。
ただし、酸性の薬剤のため、他の洗剤と絶対に混ぜないよう注意が必要です。
私の経験上、軽度から中程度の尿石によるつまりであれば、サンポールで解決できるケースが多いです。
ただし、トイレットペーパーや固形物が原因のつまりには効果がありませんので、つまりの原因をしっかりと見極めることが大切です。
有機物分解に強い酵素系洗剤ならオキシクリーン
オキシクリーンは、酵素の力で有機物を分解する酸素系漂白剤です。
食べ残しや嘔吐物、排泄物などの有機物が原因となっているトイレつまりに効果的です。
一般的なアルカリ性洗剤とは異なり、オキシクリーンは酵素の働きによって汚れを分解するため、環境にも比較的優しく安全性が高いのが特徴です。
私もお客様に安心してお使いいただける薬剤として、よくご紹介しています。
使用方法は、お湯に溶かしてから使用するのが効果的です。
40度程度のお湯にオキシクリーンを溶かし、つまりの箇所に注いで30分から1時間程度放置します。
その後、十分な水で洗い流してください。
オキシクリーンの効果は穏やかですので、軽度のつまりや予防的な清掃に適しています。
即効性は期待できませんが、定期的に使用することで、有機物の蓄積によるトイレつまりを防ぐことができます。
プロ仕様の強力洗浄剤ならピーピースルー
ピーピースルーは、業務用として開発されたプロ仕様の強力な洗浄剤です。
私たち水道修理業者も現場でよく使用している信頼性の高い製品で、一般的な家庭用洗剤では解決できない頑固なトイレつまりにも効果を発揮します。
ピーピースルーの最大の特徴は、化学反応を利用した強力な洗浄力です。
髪の毛、油汚れ、タンパク質系の汚れなど、様々な有機物を効果的に分解できます。
また、排水管内の細菌も除去するため、悪臭の原因も同時に解決してくれます。
使用方法は、粉末タイプの場合、適量を排水口に入れて40度程度のお湯を注ぎ、30分程度放置した後に大量の水で洗い流します。
ただし、非常に強力な薬剤のため、必ず換気を行い皮膚や目への接触を避けてください。
私の現場経験では、パイプユニッシュやサンポールでも解決できなかった頑固なトイレつまりが、ピーピースルーで解消されるケースが多くあります。
ただし、尿石などのアルカリ性汚れには効果が限定的ですので、つまりの原因に応じて他の薬剤と使い分けることが重要です。
なお、ピーピースルーFは一般家庭でも購入可能ですが、使用には十分な注意が必要です。
不安な場合は、専門の水道修理業者にご相談いただくことをおすすめいたします。
薬剤以外のトイレつまり解消法


いままで様々なトイレつまりを解決してきましたが、薬剤だけでは対処できないケースが数多くあります。
特に固形物やトイレットペーパーが大量に詰まった場合は、薬剤よりも物理的な方法の方が効果的です。
この章では、パイプユニッシュなどの薬剤を使わずにトイレつまりを解消する方法をご紹介いたします。
これらの方法は私の長年の経験から、安全性と効果の両面で信頼できる手法です。
物理的な解消方法
物理的な解消方法は、薬剤では解決できない固形物や大量のトイレットペーパーによるつまりに最も効果的です。
ローポンプなどの空気圧を使った解消方法は、私がお客様のお宅で最も頻繁に使用する方法でもあります。
まず最も基本的な道具として、ラバーカップ(スッポン)があります。ラバーカップは排水口の形状に合わせて押し引きの圧力を加えることで、つまりの原因を物理的に移動させて解消します。
正しい使用方法は以下の通りです。
便器の水位が低い場合は、ラバーカップが浸かる程度まで水を追加してください。
その後、ラバーカップを排水口にしっかりと押し付け、垂直に20〜30回ゆっくりと押し引きを繰り返します。
私の経験では、この方法で約7割のトイレつまりは解消されます。


ラバーカップ以外にも、ワイヤー式のパイプクリーナーも効果的です。
これは排水管の奥深くまで到達できるため、ラバーカップでは届かない位置にあるつまりにも対処できます。
ただし、便器を傷つける可能性があるため、使用時は十分な注意が必要です。




道具 | 適用場面 | 効果の期待度 |
---|---|---|
ラバーカップ(スッポン) | 一般的なつまり全般 | 高い |
ワイヤー式クリーナー | 奥深いつまり | 中程度 |
真空式パイプクリーナー | 重度のつまり | 高い |
お湯と洗剤を使った方法
お湯と洗剤を組み合わせた方法は、軽度から中程度のつまりに対して効果的です。
私がお客様にお伝えする簡単な応急処置としてもおすすめしています。
この方法の理由は、お湯の温度によってトイレットペーパーが柔らかくなり、洗剤の界面活性剤の働きで汚れが分解されやすくなるからです。
具体的な手順をご説明いたします。
まず、食器用洗剤を100ml程度便器に注ぎます。
次に、40〜50度程度のお湯をバケツに用意し、便器の水位が半分程度になるまで注ぎます。
注意していただきたいのは、熱湯は絶対に使用しないことです。
便器が陶製の場合、急激な温度変化により亀裂が入る可能性があります。
私も過去にお客様から「熱湯を使って便器が割れてしまった」というご相談を受けたことがあります。
お湯と洗剤を注いだ後は、20〜30分程度放置してから水を流してください。
この方法で解決しない場合はさらに重篤なつまりの可能性が高いため、他の方法を試すか専門業者にご相談されることをおすすめします。


他にも、重曹とクエン酸を組み合わせる方法もあります。
重曹100gを先に便器に入れ、その後クエン酸50gを加えます。
化学反応によって炭酸ガスが発生し、つまりを押し流す効果が期待できます。


水道業者へ依頼が必要なケース
水道業者への依頼が必要なケースを正しく判断することは、被害を最小限に抑えるために非常に重要です。
私のところにも「自分で直そうとして悪化させてしまった」というご相談が数多く寄せられます。
まず、以下のような症状がある場合は、すぐに水道修理業者にご相談ください。
水位が全く下がらない状況が24時間以上続いている場合です。
これは排水管の奥深くで完全に閉塞している可能性が高く、一般的な方法では解決が困難です。
便器から異臭や異音がする場合も要注意です。
排水管内で何らかの異常が発生している可能性があり、適切な診断と処置が必要です。
また、複数の水回りで同時にトラブルが発生している場合は、建物全体の排水システムに問題がある可能性があります。
このような場合は、個別の対処では解決できません。
固形物を落としてしまった場合も、自力での解決は避けた方が賢明です。
例えば、携帯電話、おもちゃ、生理用品などです。
これらを無理に取り除こうとすると、さらに奥に押し込んでしまい、状況を悪化させる恐れがあります。
症状 | 緊急度 | 対応方法 |
---|---|---|
24時間以上水位が下がらない | 高 | 即座に業者依頼 |
異臭・異音がする | 高 | 即座に業者依頼 |
複数箇所で同時発生 | 最高 | 緊急業者依頼 |
固形物の落下 | 中 | 業者依頼推奨 |
水道業者を選ぶ際のポイントもお伝えいたします。
まず、24時間対応可能で、お住まいの地域に対応している業者を選んでください。
私たち水の救急隊のように、明確な料金体系を提示している水道屋さんが安心です。
見積もりは必ず事前に確認し、追加料金の発生条件について明確に説明を受けてください。
また、作業後の保証についても確認されることをおすすめします。
私の経験から申し上げますと、早期の対応ほど修理費用を抑えることができ、被害の拡大も防げます。
症状が軽微なうちに専門家にご相談いただくことが、結果的に最も経済的な選択となることが多いのです。
トイレつまりでお困りの際は、無理をせず、適切な判断をしていただければと思います。
水の救急隊は、お客様が安心して日常生活を送れるよう、全力でサポートいたします。
まとめ
パイプユニッシュはトイレつまりに対して限定的な効果しか期待できません。
理由として、アルカリ性洗剤であるパイプユニッシュは毛髪や油脂には効果的ですが、トイレつまりの主原因である尿石や固形物には適していないためです。
私の経験では、軽度の有機物汚れには効果がありますが、根本的な解決には至りません。
尿石除去にはサンポール、重度のつまりにはピーピースルーなど、症状に応じた適切な薬剤選択が重要です。
それでも解決しない場合は、安全のため専門業者への依頼をおすすめいたします。
よくある質問(FAQ)
パイプユニッシュとは?


パイプユニッシュは、排水管のつまりを解消する水溶性の洗浄剤です。
排水管内の汚れを分解・除去できるため、トイレ、キッチン、洗面所など水回りの清掃には欠かせないアイテムとなっています。
ドラッグストアでも手軽に購入できるので、浴室や洗面台のヌメリ予防としても普段から多くの方が使用しています。
パイプユニッシュの効果とは?
パイプユニッシュは強力なアルカリ性洗浄剤で、皮脂や石鹸カス、髪の毛によるつまりや、油や食材カスによるぬめり汚れに効果を発揮します。
ただし、酸性の薬剤とは異なり、固形物を溶解するわけではないので、トイレットペーパーや固形物には効果がありません。
また、トイレつまりの原因となる尿石もアルカリ成分のため、溶解することはできないことを覚えておいてください。
パイプユニッシュではトイレつまりは解消できない?
トイレットペーパーにも固形物にも効果がないのであれば、トイレつまりにパイプユニッシュは使えないと思われる方も多いのではないでしょうか。
しかし、「パイプユニッシュでトイレつまりを解消した」という話を聞くこともあります。
パイプユニッシュでトイレつまりを解消できたという場合、「固形物やトイレットペーパー以外の原因によるトイレつまり」「流れが悪い程度の軽度のつまり」だったことが考えられるでしょう。
もし、これ以外が原因の場合、パイプユニッシュで解決することは難しいからです。
トイレつまりの原因によっては効果あり
前述した通り、パイプユニッシュは油や食材カスによるぬめり汚れに効果を発揮します。
例えば、食べ残しや嘔吐物などがトイレつまりの原因の場合、パイプユニッシュで解消できる可能性があるということです。
しかし、パイプユニッシュの取扱説明書を見てみると、「トイレのつまりは解消できない」と明記されています。
「パイプユニッシュ」/「パイプユニッシュ プロ」は、パイプの内側をつたって流れる原液が、パイプ内にたまっている髪の毛、油汚れなどを溶かします。
https://www.pipeunish.jp/faq/index.html#qa01【ジョンソン公式サイトより引用】
トイレのつまりの原因となるペーパーなどは、「パイプユニッシュ」/「パイプユニッシュ プロ」で分解することはむずかしいので、ラバーカップ(棒の先にゴム製のお椀状のものがついたもの)等で物理的に取り除いた方が効果的です。
このことからも分かる通り、パイプユニッシュは本来、排水管詰まりを予防するために使用する薬剤です。
つまり、トイレへの使用は推奨されていないため、使用によってトイレつまりを悪化させてしまう可能性もあります。
したがって、パイプユニッシュをトイレつまり解消のために使用する場合は、自己責任になることを忘れないようにしてください。
ラバーカップを使った詰まり解消法については以下の記事で紹介していますので、気になる方はぜひこちらの記事もご覧ください。


パイプユニッシュを使ったトイレつまりの正しい解消法


自己責任だったとしてもパイプユニッシュを使ってトイレつまりを直したいということであれば、正しい使用方法で対処することが大事です。
そこで、パイプユニッシュをトイレつまり解消のために使用する際の正しい対処法について解説していきます。
パイプユニッシュの選び方
パイプユニッシュには粉末、液体、ゲルなどさまざまな種類があります。排水管の種類やつまりの原因などを加味して適切な種類を選ぶことが重要です。
それぞれの特徴と選び方のポイントを説明します。
パイプユニッシュの種類 | 使用方法 | 特徴 |
---|---|---|
粉末タイプ | 水と混ぜて使用 | タンパク質や油脂に対して効果的 |
液体タイプ | 直接注ぎ込んで使用 | 髪の毛やヘドロ汚れに効果的 |
ゲル状タイプ | 直接注ぎ込んで使用 | 油汚れに効果的 |
最近では環境に優しい製品も多く販売されていますが、効果が通常のものより弱いことが多いです。
トイレつまりを解消するために使用するのであればおすすめできません。
また、適切な商品を使用しなければ、つまりを解消できないだけでなく、排水口を傷つけることもあるので、使用方法には十分に注意してください。
使用手順
パイプユニッシュの正しい使用手順は以下の通りです。
まず、トイレの排水口に4~5目盛りのパイプユニッシュを注ぎます。
次に15〜30分間放置し、その後勢いよく水を流してパイプユニッシュを洗い流してください。パイプユニッシュを塗布した後、できるだけ速やかに洗い流すために、バケツなどで水を用意すると効果的です。
使用上の注意点
パイプユニッシュは強力な薬剤であるため、使用する際には次のような注意点があります。
他の薬剤と混ぜない
パイプユニッシュはアルカリ性洗剤であり、酸素系洗剤を混ぜることで有毒ガスが発生してしまう可能性があるため他の洗剤と混ぜるのは非常に危険です。
パイプユニッシュ自体にも「混ぜるな危険」の表記がありますが、万が一表記がなかったとしても、他の洗剤と混ぜて使用することは絶対にしないでください。
熱湯を注がない
熱湯もパイプユニッシュと一緒に使用してはいけません。
パイプユニッシュと熱湯を合わせることで洗剤が急速に分解され、塩素系有害ガスが発生してしまうからです。
また、パイプユニッシュを洗い流すときも、安全のために水を使用するようにしてください。
換気をする
パイプユニッシュの用法や用量を守っていても、排水管や便器の汚れが分解されることで、悪臭やガスが発生する可能性があります。
特に一般家庭のトイレは通常狭い空間であることがほとんどです。
ガスが室内に広がることで健康に悪影響が生じる可能性があるため、パイプユニッシュを使用する際は、必ず換気をするようにしてください。
また、安全な作業を徹底するため、皮膚や目を保護するためのゴム手袋やゴーグルの着用をおすすめします。
長時間放置すると排水管がつまる
パイプユニッシュの使い方に関して、「15〜30分放置した後、水を十分に流す」と説明されています。「長時間置いた方が効果が大きくなるのでは」と考える方もいますが、これは逆効果なのでやめましょう。
長時間放置することで取れた汚れが排水管内に再びつまる可能性が高まり、パイプユニッシュも一緒に排水管内で固まってしまう恐れがあるからです。
パイプユニッシュの効果を最大限に引き出すためにも、指定された時間を守るようにしてください。


トイレつまりにおすすめの薬剤


パイプユニッシュは油やタンパク質などが原因となる軽度のつまりに効果を発揮しますが、それ以外の症状では効果は薄いことがお分かりいただけたと思います。
ちなみにパイプユニッシュ以外の薬剤でも、トイレつまりに効果があるものとそうでないものに分かれます。
ここではトイレつまりに効果のある薬剤を2つご紹介していきます。


サンポール
サンポールはトイレの黄ばみを取るための掃除用の洗剤ですが、尿石や排泄物などの蓄積された汚れを除去するのに役立つ薬剤としても知られています。
ただし、トイレットペーパーや固形物が原因のつまりには対処できないので注意してください。
デオライト
デオライトは業務用のプロ向け薬剤として提供されていますが、インターネット販売でも入手可能です。
つまりの原因が尿石の場合の一般家庭には劇物指定外で、小便器の尿石を除去する効果がある「デオライトL」がおすすめです。
トイレ洗浄におすすめの薬剤


次に、排水管内をきれいに洗浄してくれる薬剤をご紹介します。
排水管のつまり予防のために役立ててください。
ピーピースルー
ピーピースルーは化学反応を利用して排水管内のつまりを素早く溶かすことができます。
排水管内に繁殖する細菌も除去してくれるので、不快な臭いの発生を防ぎ、衛生的な環境を保つのにも役立ちます。
ただし、ピーピースルーはアルカリ性の薬剤なので、尿石などの汚れを落とすことはできません。
尿石除去用洗剤と併用して利用する必要があります。
パイプハイター
パイプハイターはジェル状のパイプクリーナーで、さまざまな場所で利用できるアルカリ性洗剤です。
一般に販売されているものは、風呂場や洗面所、キッチンなどの排水口のつまりやヌメリを効果的に除去するのに効果を発揮します。
さらに除菌効果とウイルス除去能力があるため、衛生面でも効果を期待することができるでしょう。
トイレ掃除ではトイレハイターがおすすめですが、アルカリ成分の薬剤なので、水垢や尿石などの特定の汚れには効果を発揮しません。
そのため、酸性の洗剤と使い分けて使用する必要があります。
トイレ洗浄中
トイレ洗浄中はトイレの黒ずみや黄ばみ、尿石、水垢といった汚れに効果があります。
酸性の洗剤で、特に尿石のような頑固な汚れに対して強力な効果を発揮してくれるので、普段からトイレを清潔に保つのに役立つ便利なアイテムといえるでしょう。
錠剤を一つ流すだけで洗浄してくれるのも手軽で嬉しい特徴です。
ただし、すでに排水管がつまっているような深刻なつまりには効果を発揮しませんので、注意してください。
トイレつまりを予防する方法


トイレつまりを起こしてしまうと、解消するまでに手間とコストがかかるため、日頃からつまりを起こさないための予防をすることが大切です。
薬剤を使う方法以外にも、予防策はたくさんあります。
ここではトイレつまりを予防するための方法を4つご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。


トイレットペーパーを大量に流さない
トイレつまりの多くは、大量のトイレットペーパーがトイレに流されることによって引き起こされます。
普段から使用する量を節約し、使い過ぎないようにすることが大切です。
どうしても大量のトイレットペーパーを使用する場合は、複数回に分けて流すようにしましょう。


トイレに流せる商品でも大量に流さない
トイレに流せる商品といっても、大量に流せばつまりの原因になってしまいます。
一般的にトイレに流せる商品のほとんどは水にとける素材で作られているとはいえ、実際に水に溶けるまでにはある程度の時間が必要です。
もし大量に使用した場合は、トイレに流す量を少量にして、残りはゴミ箱に捨てるのが賢明といえるでしょう。
また、ナプキンやタンポンなどの生理用品や紙おむつをトイレに流してしまうのも危険です。
どれも水に溶けない製品で、水を含むと膨れて排水管を塞いでしまう恐れがあるため、絶対にトイレには流さないでください。
間違ってトイレに落としてしまった場合は、すぐに拾い上げるようにしましょう。
トイレの清掃をこまめに行う
トイレは使用するだけで汚れが蓄積するものとはいえ、特に尿石は清掃を怠ることで大きな塊となり、排水口を塞ぐ原因となります。
1週間程度清掃を怠るだけでも尿石が便器にこびりつき始めるので、定期的な清掃を心掛けるようにしましょう。
トイレ掃除の際は、適切な洗剤やトイレブラシを使って目に見えないところまで掃除するようにしてください。
排水管にこびりついた尿石を取り除くため、酸性の洗剤を使って定期的に洗浄することも忘れないようにしましょう。
節水をせず必要な水量を確保する
節水の為に水圧や水量を下げすぎると、トイレットペーパーや排泄物を流しきることができず、排水管内に残ってしまうことがあります。
積もり積もってつまりを引き起こしてしまうことがあるため、無理な節水はせず排水に必要な水量は確保するようにしてください。
また、節水のためにトイレタンク内にペットボトルなどを入れる方がいますが、タンクを破損してしまう恐れがあるためおすすめできません。
余計なトラブルを引き起こさないためにも、タンク内に物を入れるのはやめましょう。


まとめ


この記事では、パイプユニッシュで解決できるトイレつまりについて解説してきました。
パイプユニッシュは、トイレつまりに有効な薬剤とは正直いえません。
一部のトイレつまりは解決することができますが、さらに効果が期待できる薬剤も多くあるからです。そのため、パイプユニッシュは「トイレつまりを起こさないために排水管内を清掃する薬剤」と捉えた方がいいかもしれませんね。
トイレつまりが起こった時の対処法を考えるよりも先に、トイレつまりを起こさないことを大切にしましょう。
つまりを引き起こす原因の多くは排水管内の汚れにあります。日頃からトイレつまりを起こさないための予防をして、衛生的にも快適な毎日を過ごしてください。
#トイレつまり #パイプユニッシュ #効果