近年、新築家屋で見られることが多くなった節水トイレ。従来の半分以下の水量で、自然に節水ができるということで人気のトイレの1つです。しかし、それと同時によく耳にするのが「新築なのにトイレがよくつまる」という事例です。
「新築なのになんでトイレがつまるの?」と思われる方も多いでしょうが、その原因は節水トイレの仕組みにあります。
そこで本記事では、節水トイレがなぜつまりやすいのか、原因について詳しく解説していきます。あわせてトイレつまりを起こさないための予防法や、万が一の時の対処法もご紹介していくので、節水トイレをお使いのご家庭の方は、ぜひ参考にしてください。
- 節水トイレを使用している人
- 新築なのになぜトイレつまりが起こるか分からない人
- 節水トイレのつまり予防方法を知りたい人
節水トイレがつまりやすいといわれている理由とは?
節水トイレは、従来の使用量よりも3分の1から6分の1程度の水量といわれており、一般的な家庭であれば、1年間で1万円から2万円の節約になります。
このようなことからも、家計を助ける大きなメリットがあることがお分かりいただけると思いますが、一転トイレがつまりやすく、余計な費用をかけることになってしまったという声も耳にします。
その理由には、節水トイレならではの仕組みが潜んでいるのです。
使用水量が少ないから
節水トイレはその名前の通り、従来のトイレよりもはるかに少ない水量を使用して便器を流す設計です。通常のトイレが10〜15リットルの水を使用するのに対して、節水トイレは約4〜6リットル程度の水しか使いません。
この水量削減は環境への負荷を軽減する一方で、トイレつまりの発生リスクを増大させる要因となります。
- 水量を増やす
- トイレットペーパー量に気をつける
- 大・小レバーを使い分ける
水量を増やす
節水トイレであっても、一定の範囲で水量を調整することが可能な場合があります。トイレのメーカーやモデルによって異なりますが、水量を増やす設定がある場合は、最適な水量を見つけるために試行錯誤してみましょう。
ただし、あまりにも水量を増やしすぎると、節水の意味が失われてしまうので適度なバランスが求められます。
トイレットペーパー量に気をつける
節水トイレを使用する際には、トイレットペーパーの使用量にも注意が必要です。過剰なトイレットペーパーを一度に流すと、水量が不足しやすくなるからです。適量のトイレットペーパーを使うことで、つまりのリスクを軽減できます。
大・小レバーを使い分ける
節水トイレには、大と小で使う水量を調整できるレバーがついているのが一般的です。大の際は大レバー、小の際は小レバーを使い分けることで、適切な水量で使用できます。
更なる節水のために常に小レバーを使用する家庭もあるかもしれませんが、この使い分けがつまりのリスクを低減する一助となることを覚えておいてください。
十分な水圧を確保できない
節水トイレの設計では、少ない水量で効果的な排水を実現することが求められますが、少ない水量により、水圧が低下する可能性があります。
もし設置場所が高台や、長い排水管を必要とする戸建ての場合、途中で流れが滞ってしまい、堆積していくこともあるでしょう。したがって、勾配のない場所に節水トイレを設置すると、水量の少なさだけでなく流れが悪くなるということも重なり、つまりが発生する可能性が高くなるのです。
- トイレを通常タイプに買い替える
節水トイレの水圧が不十分でつまりが頻繁に起こる場合、通常のタイプのトイレに買い替えることを検討してもよいでしょう。例えば、タンク式トイレであれば従来のトイレと同様の水量と水圧を提供するため、つまりのリスクが低くなります。
経年劣化による排水管の汚れ
節水トイレの排水管も時間の経過とともに劣化が進行したり、汚れが堆積したりします。排水管が経年劣化すると内部に汚れや堆積物が溜まりやすくなり、排水の流れが阻害され、排水が適切に行えなくなり、つまりの発生リスクが高まるため注意が必要です。
- 排水管を取り替える
排水管が経年劣化によって汚れている場合、配水管を新しいものに取り替えることで、排水のスムーズな流れを取り戻すことができます。専門の業者に相談し、適切な配水管の取り替えを検討しましょう。
節水トイレつまりの前兆とは?
トイレつまりは突然起こる印象がありますが、実はトイレつまりには前兆があります。
そこで、一般的に考えられているつまりの前兆を4つご紹介していきます。
異臭が発生している
異臭が節水トイレから発生している場合、つまりの兆候の一つといえるでしょう。トイレが正常に排泄物を流せていない場合、便器内の残った物質が腐敗し、異臭を発生させるからです。よって、早急な対処が必要です。
聞きなれない異音がする
節水トイレの排水管がつまっている場合、排水の流れがスムーズでなくなり、排水の際に聞きなれない異音が発生することがあります。そのため、いつもは聞くことがない「コポコポ」と水が流れる音がする場合は、排水管に何らかの障害がある可能性が高いです。こちらも早急に対処する必要があるでしょう。
排泄物が流れ切らない
排泄物が完全に流れ切らないことも、節水トイレがつまる前兆かもしれません。便器から流れ出る排泄物が適切に流れず一部が便器に残ったり、逆流したりする場合、排水管につまりがある可能性があるので注意してください。
水位が高くなっている
節水トイレの便器の水位が通常よりも高くなっているのも、つまりの前兆です。排泄物やトイレットペーパーが排水管をつまらせ、水がうまく流れないために、水位が上昇しているからです。したがって、すぐに対処する必要があります。
節水トイレがつまったときの対処方法
もし、トイレつまりが起こってしまった場合、以下の方法で解消するか試してみましょう。
手動で解消する
異音や水位の上昇などの前兆が現れたら、まず手動でつまりを解消しましょう。ゴム手袋を着用し、つまりの部分に手を入れて、力を入れずにつまりがないか確かめてみてください。
ラバーカップを使用する
ラバーカップがあるならば使用しない手はありません。ラバーカップで排水口を押し引きすることで、つまりが解消される可能性があります。
お湯を使う
お湯には排泄物やトイレットペーパーを溶かす効果があります。50℃のお湯をゆっくりと便器に注ぎ、約30分~1時間程度待ってから流すと、つまりが解消されるかもしれません。
薬剤を使う
市販のトイレのつまり解消用薬剤を使用することも有効です。薬剤をトイレに投入し指定された時間待ってから流すことで、つまりが解消される可能性があります。
節水トイレのつまり予防方法
節水トイレのつまりを予防するためには、適切な使い方や注意点を理解し日頃から実践することが重要です。
ここからは、節水トイレのつまりを予防するための方法を詳しく解説します。
トイレ内に物を置かない持ち込まない
節水トイレの排水管や便器には、トイレットペーパー以外の物を流すことは避けましょう。また、トイレ内にはトイレットペーパー以外の物を置かないよう心掛けてください。
特にプラスチック、おもちゃ、衛生用品、オイルや脂質、不溶性の物などを流さないよう注意が必要です。これらの物が便器や排水管をつまらせる原因とからです。誤って便器に流してしまったということにならないためにも、トイレ内には置かない方がいいでしょう。
流す前によく考える
トイレを使用する際は、流す前によく考えることが重要です。例えば、トイレットペーパーや排泄物は水に溶けるものですが、ティッシュペーパーは水に溶けないことをご存知でしたか。よく勘違いされている方がいますが、ティッシュペーパーはそもそもトイレに流すことを推奨されていません。
また、水に溶ける製品は、確かに水に溶けるとはいえ、トイレに大量に流すとつまりの原因になります。トイレに流さず、ゴミ箱に捨てるとより良いでしょう。
一度にたくさん流さない
節水トイレは水量が少ないため、一度に大量の排泄物やトイレットペーパーを流すと、効果的な流れが妨げられ、つまりのリスクが高まります。便器に流す量は適切に調整し、一度に大量を流さず数回に分けて流すのが効果的です。
正しいトイレの使い方を身につける
何よりも、正しいトイレの使い方を理解し、実践することが節水トイレのつまりを予防する基本です。
以下のポイントを心がけましょう。
- 便座の適切な使い方
- 定期的なメンテナンス
- 水量の調整
便座の適切な使い方
強い衝撃や乱暴な使い方を避け、便座を壊さないようにしましょう。
定期的なメンテナンス
トイレの定期的な清掃や点検を行い、異常があれば早期に修理することで、つまりの発生を予防します。
水量の調整
トイレの水量を調整できる場合、適切な水量に設定して使うことで、節水とつまりの両方を考慮した利用が可能です。
これらの予防策を実践することで、節水トイレのつまりを防ぐことができます。さらに、家庭内で適切なトイレの使い方を理解し、協力してもらうことも重要です。
節水トイレがつまった際の注意点(やってはいけないこと)
もしトイレがつまってしまった場合、絶対にしてはいけない行為があります。
誤った対処方法は問題を悪化させる可能性があるため、次のことに注意するようにしましょう。
水を流し続ける
節水トイレがつまっているときに、何度も水を流し続けることは避けましょう。何度も水を流すと、排水を助けるのではなく逆に水が溜まってしまい、外に溢れ出してしまう恐れがあるからです。また、溢れた汚水でトイレ内が大変なことになってしまう可能性もあります。
さらにマンションなどの集合住宅では、溢れだした汚水が下の階に漏れてしまうこともあるかもしれません。この場合には、損害賠償を請求されるなどさらに状況が悪化してしまいますので注意してください。
熱湯を流す
熱湯を流すことは、一見排水を助けるように思えますが、絶対に行ってはいけない行為です。節水トイレの構造や材質は、熱に弱い場合があるため、熱湯を流すことでトイレの損傷やひび割れを招く可能性があるからです。
もしトイレが損傷したり、ひび割れが起きたりしたら、トイレつまりを解消するどころか、トイレ自体を交換しなければいけなくなります。
複数の薬品を使う
異なる薬品を同時に使用することは危険です。異なる薬品を同時に使用すると、化学反応を起こして有害なガスを発生させる可能性があるためです。
また、節水トイレの材質によっては、薬品がトイレ自体に損傷を与えることもあります。
節水トイレつまりで専門業者にお願いするケースとは?
トイレつまりはどうしても自分では解決できないこともあります。そういう場合は無理に対処しようとせず、専門業者にお願いするのが得策といえるでしょう。
最後に業者にお願いした方がいいトイレつまりのケースについてご紹介していきます。
水が流れない
節水トイレの水が流れなくなる原因は様々ですが、いくら対処をしても水の水位が変わらないのであれば、排水管の奥の方でのつまりが考えられ、重度のつまりと診断されます。
これは自力で解決するのが難しいため、専門業者に依頼するのがいいでしょう。
固形物がつまっている
節水トイレに固形物がつまってしまうと、通常の対処法などでは解消できないことがあります。特に、水に溶けない固形物が排水管の途中まで流れてしまっているものは、いくら対処しても解消するのは難しいでしょう。
この場合も、専門業者にお願いするのが賢明です。
尿石によるつまり
尿石は尿の成分が固化してできるもので、節水トイレの排水管に付着することがあります。排水管の途中でできているのであれば、薬剤などで解消することが可能ですが、床下でできている場合は薬剤では解消することができません。
尿石が原因で排水が不良になる場合、専門業者に依頼し、専用の薬剤や専門の洗浄機器を使用して、排水管をきれいに清掃してもらわなければ、つまりは解消されません。
節水トイレのつまりを解消するための費用相場
節水トイレのつまりを解消するための費用相場は、状況や原因、修理や清掃の方法によって異なります。一般的な目安として、数千円から数万円程度が一般的です。
ただし、複雑な修理や部品交換が必要な場合、費用はそれに応じて増加する可能性があります。よって、専門業者に依頼する際には、事前に見積もりを取り、必要な作業や費用について明確に確認することが重要です。
まとめ|節水トイレは正しい使い方を身につけることが大切
この記事では、節水トイレのつまりの原因や対処法についてご紹介してきました。
節水トイレは、節水ができるというメリットがある一方で、トイレがつまりやすいというデメリットがあります。新築のお住まいに多い節水トイレですが、正しい使用を心掛けなければ、すぐにトイレつまりを引き起こしてしまう可能性があるので注意するようにしましょう。
そのため、トイレのつまりを引き起こさないよう、今回ご紹介した正しい使用方法や、つまりの予防対策を日頃から行うことをおすすめします。
快適な暮らし、新築での新生活を送るためにも、普段から正しい節水トイレの使い方を実践してください。
ただし、適切に節水することでエコで経済的な生活ができるのも確かです。
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口コミや実績から水道修理業者を比較しよう
水道修理業者を判断する材料として、口コミサイトや公式サイトの修理実績などを確認するのもおすすめです。水道屋さんの口コミをまとめたサイトも多くあるので、そちらを確認したり、SNSを確認するのもいいかもしれません。
地域密着型の修理業者を選べば安心
一刻を争うような水のトラブル発生している場合、水道修理業者をじっくり選んでいる場合ではないと思われる方もいるかもしれません。そんな時は、地域密着型の水道屋さんを選ぶといいでしょう。家の近くの水道修理業者を見つけておけば、早ければ30分以内に修理を始めてもらえるかもしれません。
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