キッチンに立ってふと下を見ると水浸しになっていたり、シンク下の収納を開けてみたら水漏れしていたりすると慌ててしまいますよね。
キッチン下・シンク下から水漏れする主な原因は、排水や給水関連によるものです。
きちんと原因と対処法を理解すれば自分で対処できます。
キッチンの下で水漏れしているときには、焦らず止水栓を閉めて、これ以上水漏れ被害が拡大しないようにすることが重要です。
本記事では、実際にキッチン下・シンク下で水漏れが生じてしまう8つの原因と対処法について詳しく解説します。
本記事を読めば、焦らず正しい知識でキッチン下の水漏れに対処できるようになります。
あわせて自分で修理する場合の注意点や水道修理業者に依頼した場合の費用相場についても紹介します。
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キッチン下・シンク下の水漏れが発生した場合の対処法
キッチン下・シンク下の水漏れを発見したら、速やかに以下の手順で対処しましょう。
- 止水栓を閉める
- 床材にタオルを敷く
- 自分で修理できるかどうか判断する
- 管理会社へ連絡する
水漏れを放置すると、床材の腐食やカビやシロアリの発生など、深刻な問題を引き起こす可能性があります。
また賃貸の場合には、退去時に多額の費用を請求されることもあるため、早めの対処が重要です。
1.止水栓を閉める
キッチン下・シンク下の水漏れを発見したら、まずはシンク下にある水道の止水栓を閉めましょう。
止水栓の種類と閉め方
止水栓の種類 | 閉め方 |
---|---|
レバー式 | レバーを90度回転させる |
ハンドル式 | ハンドルを回して止水栓が止まるまで締める |
プッシュ式 | ボタンを押して止水栓が止まるまで押し込む |
止水栓が壁の奥にあって閉められないときには、水道の元栓を閉めて対処しましょう。
水道の元栓の位置
設置場所 | 補足説明 |
---|---|
玄関前の地面 | 平屋タイプの集合住宅や戸建ての場合、玄関前の地面に設置されていることがあるので、金属の蓋を探してみましょう。 |
玄関ドア横のPS | 賃貸マンションや比較的新しいタイプのアパートなどは、玄関ドア横に水道メーターやガスメーターなどが格納されているPS(パイプスペース)に、水道の元栓が設置されています。 |
建物側の共有スペース | 多くの賃貸アパートの場合、各住戸の水道メーターや元栓が建物の階段下や駐輪場や駐車場付近にまとめて設置されていることがあります。それぞれ部屋番号が記載されているので間違って他の部屋の元栓を閉めることのないように注意が必要です。 |
ベランダ側のスペース | ベランダ側に設置されているケースも考えられます。基本的に水道局員が来たときに確認しやすい場所にあります。 |
水道の元栓は右(時計回り)に回せば閉めることができます。
元栓を閉めるときのポイントは、何回まわして閉めたかを覚えておくと、再び元栓を開けるときの目安となります。
内部リンク:止水栓はどこにある?見つけ方と閉める方法|自分でできる応急処置
床材にタオルを敷く
「水漏れのシミをつくらない」ためにも、タオルなどを敷いて床材などを保護しましょう。
水道の元栓を閉めても水が止まらない場合は排水からの水漏れが考えられます。
排水管の中に溜まった水は油汚れなどで、とくにシミになりやすいので注意が必要です。
自分で修理できるかどうか判断する
キッチン下・シンク下の水漏れを発見したら、自分で修理できるかどうか判断することが重要です。
簡単な水漏れであれば、工具や材料を揃えれば自分で修理できる場合もあります。
しかし、以下のような場合は、無理せず水道修理業者に依頼することをおすすめします。
管理会社へ連絡する
賃貸物件の場合、水道修理業者へ依頼する前に必ず大家さんか管理会社へ連絡しましょう。
入居時にサインした契約書に「入居先の設備に不具合が生じた場合には管理会社へ連絡するように」と記載されているケースも多いです。
また、大家さんや管理会社が特定の業者と提携しており、設備の不具合などを安い費用で修理を行ってもらえることもあります。
水漏れの原因によっては、貸主が費用を負担してくれるケースもあります。
賃貸物件の水漏れの支払い責任は?
賃貸物件で発生した水漏れが経年劣化によるものである場合には、貸主が費用を負担して修理を行うのが一般的です。
しかし、水漏れをそのまま放置していたときや、自分で修理を行って症状が悪化してしまったときには、借主側が費用を負担しなければならないケースもあります。
また、キッチン下・シンク下の収納へモノを無理に詰め込みすぎてしまったなどが原因で水漏れが生じたときには、借主の過失による水漏れは自己負担での修理となります。
個人賠償責任保険が適用される場合がある
賃貸物件で水漏れが原因で床にシミができてしまったり、下の階の家財道具や家電に被害を及ぼしてしまったりした場合には、それらの修繕費用や賠償金も支払わなければなりません。
しかしこういったケースでは個人賠償責任保険が使える可能性があります。管理会社に連絡して入居時の火災保険などと一緒に加入しているかどうかを確認してみるようにしましょう。
水漏れしている原因箇所の特定方法
キッチン下・シンク下から水漏れしている原因を特定するには、まず「給水と排水のどちらから水漏れしているか」の原因の特定が必要です。
給水側の原因を特定する方法は、自宅の止水栓をすべて閉めて水道を一切使わない状況にして、水道メーターのパイロットと呼ばれる部品が回っているかを確かめます。
水道水を使っていないのにパイロットがクルクルと回っている場合には、キッチン水栓かキッチン下・シンク下の止水栓から水漏れしていることが考えられます。
給水側に問題がなかった場合には排水による水漏れとなるため、ゴムパッキンの劣化、排水パイプの接続部などを確認しましょう。
【キッチンや台所の水漏れ箇所が分からない?】発見方法や対処法について徹底解説!
キッチン下・シンク下の水漏れの8つの原因
キッチン下・シンク下の水漏れには8つの原因が考えられます。
キッチン下・シンク下には給水や排水に関連する設備がまとめられているため、しっかりと水漏れ箇所を判断して適切な対処が必要です。
給水管や給湯管の破損
給水管や給湯管などが破損してしまっている場合、迅速な対処が重要です。
自分で対処できないため、すぐに水道修理業者に連絡をして修理依頼し、止水栓を閉めて被害の拡大を防いだらすぐに連絡しましょう。
止水栓がサビて固着している場合には、家の水道の元栓を閉める必要があります。
止水栓はどこにある?見つけ方と閉める方法|自分でできる応急処置
水の救急隊に水道修理を依頼したい!どうやって依頼したらいいの?
排水管や排水ホースのズレ
賃貸アパートなどの場合、排水ホースが床下の排水管に挿し込むような形で取り付けられていることがあります。
そのためキッチン下・シンク下の収納スペースに物を押し込んだはずみで、排水ホースが排水管から抜け落ちてしまって床下がビショビショになることがあります。
ズレているだけの場合には、少しずつ水漏れが生じてしまうため気付きにくいです。
排水管と排水口接続部のゴムパッキンの劣化
キッチン下・シンク下に水漏れが生じてしまう主な原因は、排水口のゴムパッキンの劣化によるものです。
この場合には、ゴムパッキンを交換すればキッチン下・シンク下への水漏れは修理できるため、やり方や材料があれば自分でも修理ができます。
【簡単にできるキッチンまわり水漏れ修理】パッキンの交換方法や注意点についても徹底解説!を参考にして下さい。
排水管のつまりによる逆流
キッチンの排水管は油汚れや洗剤カスによって詰まりが生じやすいといった特徴があります。
そのため、そのままつまりを放置してしまうと排水管からジワジワと水漏れしてしまうため、普段から排水管を掃除する必要があります。
蛇口や水栓からの水漏れ
キッチンとシンクの水栓の間に、わずかでも隙間があると水漏れしてしまいます。蛇口から水漏れしている場合には、コマパッキンなどが原因であることが考えられます。キッチン下・シンク下に水漏れが生じている場合には、シンクと水栓の隙間を埋めているシーリング材が劣化している可能性が考えられます。
キッチンの蛇口からポタポタ水漏れするときの原因と自分でできる修理方法
シンク破損による水漏れ
水栓やパッキンなどに問題がないにもかかわらず、キッチン下・シンク下に水漏れが生じている場合、シンク本体にわずかな亀裂が生じていることがあります。
わずかな亀裂でも水は徐々に染み込んでいき、水の流れ道が1度できてしまうと継続して水が流れ込んでしまいます。
コーキング剤で応急処置はできますが、シンクの交換をしなければ被害はさらに拡大してしまいます。
排水管のナットの緩み
排水トラップと排水管の繋ぎ目から水漏れしているのは、ナットの緩みの可能性が高いです。
わずかな緩みでも隙間が生じてしまうため、モンキーレンチを使ってナットの締め直しを行うようにしましょう。
止水栓のコマパッキンの劣化
キッチン下・シンク下の止水栓から水漏れしているときには、止水栓を閉めても水漏れの応急処置はできません。
そのような場合には、水道の元栓を閉めるようにしましょう。
止水栓からの水漏れは水栓の内部部品であるコマパッキンの劣化が考えられるため、部品を交換することで直せます。
【キッチンや台所の排水管で起こる水漏れは故障だけが原因じゃない?】考えられる原因や解消方法も徹底解説!
キッチン下・シンク下の水漏れを自分で修理する方法
キッチン下・シンク下の水漏れで、ゴムパッキンとコマパッキンなどの部品交換を自分で行う場合のそれぞれの方法について紹介します。
キッチン・台所|蛇口・水栓の修理について詳しく知りたい方は水の救急隊公式HPでご確認下さい。
ゴムパッキンの交換方法
ゴムパッキンの交換をする場合、まずはホームセンターで同じ大きさのゴムパッキンを購入しましょう。
このとき間違えて違う大きさを購入しないように取り外したゴムパッキンを持参すると確実です。
準備するもの
ゴムパッキンを交換するときには、排水口の口径に合わせたゴムパッキンとモンキーレンチを準備します。
手順
キッチンシンクの排水トラップのゴムパッキンは、以下の手順で交換します。このときに止水栓を締める必要はありません。
- シンク下の排水トラップとシンクを繋いでいるナットを手で回して緩める
- 排水トラップを持ち上げて古いゴムパッキンを取り外す
- 排水トラップに新しいゴムパッキンを取り付ける
- 取り付けた方法とは逆の手順でナットを締めて水漏れしないか確認して作業完了
H3.コマパッキンの交換方法
コマパッキンを取り付けるためには、ホームセンターで同じタイプのものを購入するようにしましょう。
また、コマパッキンが劣化していると、ハンドル部分のスピンドルも同じく摩耗している可能性があります。
その場合にはスピンドルセットを購入するのがおすすめです。
準備するもの
コマパッキンの交換では以下のものを準備します。マイナスドライバーは混合水栓のハンドル部分のキャップを取り外すのに使用します。
手順
コマパッキンは小さな部品であるため、取り外した際に排水口に落としてしまわないように気を付けましょう。コマパッキンの交換手順は以下のとおりです。
- 止水栓を閉める
- 部品落下を防ぐために排水口を塞ぐ
- ハンドルのキャップを外してビスを緩めてハンドルを外す
- 新しいコマパッキンに交換し、取り外しと逆の順で取り付ける
- 止水栓を開けて水漏れしなければ作業完了
水道屋さんに任せるべきキッチン下・シンク下の水漏れとは?
キッチン下・シンク下の水漏れが、ナットの緩みやゴムパッキンの劣化など、比較的簡単な原因なら自分で修理して対処できます。
しかし、自分で修理すると症状が悪化してしまう箇所もあるため、その場合には水道修理業者に依頼する必要があります。
水道屋さんに任せるべきキッチン下・シンク下の水漏れは以下の状況のときです。
コーキングの補修が必要な場合
シンクと水栓の隙間から水漏れしている場合には、コーキングの劣化が考えられます。
水まわりのコーキングは、業者に適切に補修をしてもらわないとまたすぐに劣化してしまう箇所です。
一般的には内装の水まわりに使用するシリコーンタイプのコーキングを使用しますが、適切な種類を選んで、古いコーキングを取り除いて新しくコーキングを打ち直さなければなりません。
わずかな隙間が生じてしまって水漏れは直らないため、毎日使用する水まわりのキッチンのコーキングはプロに任せるのがおすすめです。
部品の取り外しが難しい場合
キッチンを設置して長年経過している場合、止水栓や排水パイプが劣化して固着してしまっていることがあります。
そうなってしまうとモンキーレンチなどでナットを緩めることもできず、強い力を加えてしまうと部品を破損させてしまう危険性もあるため気を付けなければなりません。
給水管などの取り替えは、交換後すぐに水漏れが生じてしまう可能性も高いため、水まわりのプロに依頼して安心して使い続けられるようにしましょう。
原因箇所がわからない場合
キッチン下・シンク下の水漏れの原因となる箇所がいくつもあるため、どれだけ調べても水漏れの原因が見つからないことも多くあります。
排水パイプの接続部分が濡れているからとナットの締め付けを行っても、実は水栓のコマパッキンから水漏れしたものが滴っていたというケースもあります。
原因箇所がはっきりとわからない場合には、いつまで経ってもキッチンを安心して使えないため、水道修理業者に適切な対処を行ってもらいましょう。
水道屋さんに依頼した場合の費用相場
キッチン下・シンク下の水漏れを業者に依頼した場合の費用相場は、不具合が生じている箇所によって大きく異なります。
以下、修理箇所別の費用相場の目安となります。実際に修理を水道修理業者に依頼するときには必ず見積もりを取ってもらって内訳を確認するようにしましょう。
作業内容 | 費用そば |
---|---|
パッキン交換やナットの締め付けなど | 3,000円~5,000円 |
排水トラップ本体を交換 | 4,000円~8,000円+別途材料費 |
キッチンの蛇口から水漏れしていて水栓本体を取り替えが必要 | 15,000円~30,000円 |
排水口のつまりなど | 8,000円前後 |
ゴムパッキンやコマパッキンの交換、ナットの締め付けくらいであれば、本記事で紹介した方法で自分で対処すれば数百円程度の部品代で済みます。自分で修理するのが不安だという方は、はじめからプロの水道修理業者に依頼するのがもっともおすすめの対処方法です。
水の救急隊の料金は、キッチン・台所の修理費用をご覧ください。
キッチン下・シンク下の水漏れを放置する4つのリスク
キッチン下・シンク下の水漏れをそのまま放置したり、気付くのが遅れてしまったりすると大切な住まいに大きな被害を及ぼしてしまう可能性があります。
また、集合住宅や賃貸住宅などの場合には責任問題が問われて多額の費用を請求されるリスクもあります。
キッチン下・シンク下の水漏れを放置するリスクについて、詳しく解説します。
黒カビが発生
キッチン下・シンク下の水漏れを放置していると収納スペース部分に黒カビが発生してしまいます。
カビは、食材や調理道具などにも衛生的な問題が生じてしまうため危険です。
カビが原因でアレルギーが発症してしまったり、ぜんそくなどを引き起こしてしまったりするため、水漏れを放置することは決してしないようにしましょう。
腐食しシロアリ被害が生じる
キッチン下・シンク下で水漏れが生じて黒カビが発生してしまうと、少しずつ床材や柱部分の木材が腐食していきます。
木材が腐食した箇所は、シロアリが大量発生してしまい大切な住まいを傷めてしまう危険性が大きいです。
一部でシロアリ被害が出てしまうと、その被害は他の箇所でも徐々に広がっていくためキッチンだけの問題ではなくなってしまいます。
高額な水道料金が請求される
水漏れが排水ではなく給水側にあった場合には、ジワジワとした小さな水漏れであっても水道代は一気に跳ね上がってしまいます。
気付かない水漏れに関しては水道代の減免制度もありますが、条件が厳しく提要条件を満たしていなければ実費で負担する可能性が非常に高くなります。
下の階への水漏れ
集合住宅やマンションなどのキッチン下・シンク下から水漏れしてしまうと、下の階へ漏水被害が及んでしまう危険性があります。
床や天井部分にシミができてしまうため修繕費用を請求されるだけでなく、家電や家財道具の修繕費用まで支払わなくてはなりません。
あまりに大きな水漏れだと住人同士のトラブルとなってしまい、住み続けることが難しくなってしまうケースもあります。
キッチン下・シンク下の水漏れを予防する方法
キッチン下・シンク下から水漏れしてしまうと大きな被害が出てしまうため、水漏れを普段から予防しなければなりません。
水漏れを防ぐためには「排水管のつまりを徹底的に予防する」「排水ホースの劣化を予防する」の2点が重要です。
実際にどのようなことに気を付ければいいのか、以下では日常生活の中で心がけたい3つのポイントを紹介します。
油汚れは拭いてから洗う
食器洗いをするときにお皿についた油をそのまま洗い流したりしていると、その油は排水管の中で冷えて固まり付着します。そして洗剤カスなどと合わさってしまうと硬化してつまりの原因になってしまいます。そのため、油汚れは必ずキッチンペーパーなどで拭いてから洗うようにしましょう。そのひと手間によって、排水管のつまりの予防ができます。
パイプクリーナーで掃除する
定期的にパイプクリーナーを使って、排水管を掃除しなければなりません。最低でも月に1回は配管掃除を行うようにすると、付着した食材カスやつまりの原因となる油汚れを取り除けます。つまりが生じてからではなく、つまり予防としてパイプクリーナーを使うことが非常に重要です。
定期的にキッチン下・シンク下をチェックする
キッチン下・シンク下からわずかな水漏れが生じてしまっている場合、気付くまでに時間がかかってしまうことがあります。そのため定期的にキッチン下・シンク下を確認してシミができていないか、配管から水が濡れていないかを確認するようにしましょう。そして一緒に排水管のナットが緩んでいないかもチェックしておくことで水漏れの発生が防げます。
キッチン下・シンク下の水漏れは早く対処をしましょう!
キッチン下・シンク下は普段目に見えない場所であるため、気付いたときには水浸しになっていたり、カビが生えている可能性もあったりするため、少しでも早く対処する必要があります。本記事では、キッチン下・シンク下の水漏れの対処方法や注意点について詳しく紹介しました。正しい手順と知識を持てば自分で修理できるものも多いため、しっかりと確認して水漏れを修理するようにしてくださいね。また、自分で修理するのが不安な場合には業者に依頼するようにしましょう。