キッチンや台所の水漏れの多くの原因は、パッキンの劣化によるものがほとんどです。パッキンの交換は誰でもできる作業なので、万が一の際に役立てるためにも、交換方法を覚えておくことをおすすめします。
ただし、パッキンと一口にいっても、さまざまな種類があるため、どれを交換したらいいかわからなくなることもあるかもしれません。
そこで本記事では、キッチンや台所で使われているパッキンの種類や交換方法について詳しく解説していきます。
- キッチンや台所で水漏れが発生している人
- パッキンの交換方法を知りたい人
パッキンを交換する前にサイズを確認
水漏れの原因がパッキンの劣化によるものであれば、交換することで水漏れを解消することができます。
ただし、パッキンにはたくさんの種類やサイズがあるため、同じものを用意しないと小さすぎて水が漏れてしまったり、大きすぎて付けること自体ができなかったりするため、時間とお金の無駄になりかねません。
よって、パッキンを交換するときは、種類とサイズを確認し同じものを用意して交換するようにしてください。もし同じものがない、もしくはわからない場合は、メーカーに問い合わせたり、ホームセンターで聞いたりするなどして購入しましょう。
キッチンや台所に使われるパッキンの種類
特に蛇口には、さまざまな形やサイズの違うパッキンが使われており、一見すると似ているものもあるため、間違えないよう同じものを用意し交換する必要があります。
ここでは、キッチンや台所に使われている5種類のパッキンの特徴を覚えておいてください。
平パッキン
もっとも一般的なのが平パッキンで、表面が平らになっているのが特徴です。排水管やホースなどの接続部に使われていることが多く、給水管パッキンなど、取り付ける場所によって名前が付けられていることが多い傾向にあります。サイズ違いに注意が必要です。
Oリング
アルファベットの「O」のような形をしているのがOリングです。角が無く、キレイなドーナツ型をしており、同じ円形のパッキンの中でも幅が狭いのが特徴で、さまざまな部位で使用されています。
三角パッキン
三角パッキンも同じ円形の形をしていますが、側面が盛り上がり切ったときの断面が三角形に見えることから、三角パッキンと呼ばれています。
三角パッキンは蛇口のハンドル内に使われていますが、真下に金属製の「座金」と言われるパーツと一緒に設置することが多く、購入時には座金もついてくることが一般的なので、2つセットで使用してください。
Uパッキン
同じく円形をのUパッキンは溝があり、断面がアルファベッドの「U」に見えるのが特徴です。蛇口本体と蛇口の水が出る吐水口のつなぎ目などに使われており、回転を妨げないための役割を果たしています。
他にも「Xパッキン」や「OVパッキン」など、溝の入ったパッキンがありますが、溝の形が違うので注意が必要です。
コマパッキン
コマパッキンは別名ケレップとも呼ばれています。蛇口のハンドル内に必ずあるもので、金属とゴムが一体化した作りになっており、おもちゃのコマの形をしているのが特徴です。
ハンドルを回したときに水をせき止める役割を果たしているため、コマパッキンが破損すると、水がポタポタこぼれてしまいます。蛇口のハンドル内は、三角パッキンとコマパッキンが組み合わさった構造なので、交換するときはどちらも用意するようにしましょう。
蛇口のパッキンを交換する方法
パッキンの種類が分かったところで、次はパッキンの交換方法をご紹介していきます。
まず蛇口のパッキンの交換方法です。蛇口はパッキンの種類が多いだけでなく、「単水栓」「シングルレバー混合栓」「ツーハンドル混合栓」など、蛇口自体にさまざまなタイプがあり、交換方法も変わってきます。
交換するための準備するもの
パッキンの交換には新しいパッキン以外に、以下のものが必要になるので、事前に準備してください。
モンキーレンチ
モンキーレンチは、蛇口の接続部にあるナットを外すときに使用します。蛇口付近はスペースがないので、コンパクトなものを用意すると使いやすいはずです。
ピンセット
ピンセットは細かい部品を取り出すのに使用します。コマパッキンやUパッキンは手で取り出すことができないので、ピンセットで取り出してください。
プラスドライバー
プラスドライバーは蛇口のハンドルを分解するときに使用します。蛇口のタイプによっては六角レンチが必要な場合もあるので、その際は六角レンチを用意してください。蛇口によっては、コマパッキンを取り外すときにも使うこともあります。
単水栓のパッキン交換方法
単水栓はハンドルが一つしかないもっともシンプルなタイプです。その分、修理しやすいタイプの蛇口と言えます。
コマパッキン、三角パッキンの交換方法
単水栓の水漏れの原因としては、コマパッキンか三角パッキンの劣化が考えられるので、ハンドルを分解して新しいものと交換します。
まず、ハンドルの最上部にあるビスを取り外してください。爪やマイナスドライバーで引っ掛けるようにすると簡単に取り外せます。次に、ハンドル下にあるナットを緩めてハンドルを取り外し、内部に、三角パッキンとコマパッキンがありますので、ピンセットで取り出し新しいものに交換してください。
ハンドルを元に戻しナットを閉めたら修理完了です。
Uパッキンの交換方法
Uパッキンの交換の場合、ハンドルを分解する必要がないので、簡単に作業を行えます。
まず、吐水口のつなぎ目にあるナットを緩めて取り外してください。蛇口の本体にUパッキンがあるので、ピンセットで取り出し新しいものと交換します。吐水口と蛇口を合わせて、ナットを締めなおしたら修理完了です。
シングルレバー混合栓のパッキンを交換する方法
シングルレバー混合栓は、一番使われている蛇口で、レバーを右や左に回すことで温度を調節するタイプです。シングルレバー混合栓の場合の水漏れの原因としては、パッキンではなくバルブカートリッジと呼ばれる部品の劣化が考えられます。
バルブカートリッジは、蛇口の心臓部と言っても過言ではない水量や温度を調整するための部品で、シングルレバー混合栓の水漏れは、ほとんどがバルブカートリッジが原因によるものです。
バルブカートリッジの交換方法
まず、ハンドルの下に小さなビスキャップがあるので外し、中のビスをドライバーか六角レンチで緩め、レバーハンドルを取り外してください。次に、その下にあるナット状の金属を外し、その下にあるバルブカートリッジを新しいものと交換し、元に戻して修理完了です。
なお、バルブカートリッジを取り外すとき、六角レンチが必要な場合もあるので注意してください。また、逆に取り付けてしまうと、水とお湯が逆になってしまうので注意が必要です。
スパウトパッキンの交換方法
ほとんどの場合はバルブカートリッジの交換で水漏れは解消されますが、もし解消されない場合は、バルブカートリッジの下にあるスパウトパッキンの劣化かもしれません。
スパウトパッキンが劣化しているならは、バルブカートリッジを新しいものと交換する前に、バルブカートリッジの下にあるスパウトと言われる部品も取り外し、そこに使われている2つのパッキンを新しいものと交換します。
2つのパッキンはUパッキンやOパッキンが使用されているので、溝の向きなど気を付けて取り付けるようにしてください。交換したあと元に戻せば修理完了です。
ツーハンドル混合栓のパッキンを交換する方法
ツーハンドル混合栓は、水とお湯それぞれのハンドルが付いた蛇口タイプです。ツーハンドル混合栓の場合は、片方のみ水漏れを起こしていることもあるので、その場合は片側のみ交換します。
ただし、ツーハンドル混合栓はクランクによって取り付けられている壁付タイプのケースもあり、この場合、壁との接続部の水漏れは、クランクに使われているパッキンの劣化も考えられるので注意してください。
三角パッキン、コマパッキン、Uパッキンの交換方法
三角パッキンやコマパッキン、Uパッキンの交換は単水栓とほぼ同じですが、水とお湯どちらかが水漏れしてる場合は、一方のみ取り外せば大丈夫です。交換方法は単水栓の取り外し手順を参考にしてください。
クランクのパッキンの交換方法
蛇口本体を押さえながら、蛇口とクランクの接続部にあるナットを緩め、蛇口を取り外してください。クランクにパッキンが付いているので、ピンセットで取り除き、新しいパッキンと交換し、元に戻して修理完了です。
排水トラップのパッキンの交換方法
排水トラップや排水ホースにもパッキンが使用されています。特にシンク下からの水漏れは、排水トラップや排水ホースなどに使われているパッキンの劣化を疑ってください。
排水トラップの取り外し
排水トラップは、排水パイプや排水ホースがナットで固定されているので、このナットをスパナで緩めて排水トラップから取り外します。排水パイプと排水ホースを取り外すと、管内に残った排水がこぼれてくるのでバケツで受けるようにしてください。
次に、排水トラップ本体を取り外します。排水トラップは、シンク下の排水トラップの付け根にある大きなナットで固定されているので、ナットが固く回せない場合は「排水トラップ用スパナ」と呼ばれる排水トラップ専用のスパナを使うと簡単に取り外すことができます。
排水トラップのナットを緩めることができたら、排水トラップをシンク上に引き上げるように取り外してください。
排水トラップのパッキンを交換する
排水トラップを外したらパッキンの交換を行います。取り外した排水トラップの古いパッキンを剥がし、新しいパッキンを取り付けてください。
排水トラップを取り付ける
パッキンの交換が終わったら排水トラップをもとに戻します。パッキンがずれないように、シンク上から排水トラップを差し込み、ナットでしっかりと締めてください。最後に水を流し、水漏れがなければ修理完了です。
作業前の注意点
前述の通り、パッキンの交換は自分でもできますが、作業に入る前にいくつか注意してほしい点があるのでご紹介していきます。
止水栓を閉めておく
キッチンや台所の水漏れを発見したら、シンク下にある止水栓を閉めてください。止水栓を閉めることで、水漏れの拡大を防ぐのと同時に、作業中に水が溢れることを防ぐこともできます。
同じサイズのものを用意する
パッキンを交換する際には同じものを用意してください、種類はもちろんサイズも同じでなければ、正常な働きをしてくれません。どんなパッキンが使われているか事前に確認し用意をしてから作業を開始するようにします。
丁寧に作業する
水漏れの修理の際には部品を分解する作業もあります。水道まわりには他の設備もありますので、無理な作業によって破損させてしまわないように、丁寧にゆっくり作業を進めてください。もし違う場所を破損してしまったら、水漏れ以外の被害も発生してしまうので、注意が必要です。
無理をしない
自分で作業を進めるにあたって、自分では無理かもしれないと感じるのであれば、無理をせず専門業者にお願いしてください。無理に作業を行うと、まわりの設備を壊してしまう可能性があるからです。
まとめ
この記事では、キッチンや台所で使われているパッキンの交換方法について解説してきました。
パッキンにはさまざまな種類とサイズがあるので、同じものを用意した上で交換する必要があります。
また、簡単な作業のように見えても、自分で修理できるか分からない方もいると思います。そのような方は無理をせず、専門業者に修理を依頼してください。
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水道修理業者を判断する材料として、口コミサイトや公式サイトの修理実績などを確認するのもおすすめです。水道屋さんの口コミをまとめたサイトも多くあるので、そちらを確認したり、SNSを確認するのもいいかもしれません。
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