水漏れ修理の相場はいくら?知っておきたい費用の目安とポイント


水漏れは突然起きるトラブルです。
頻繁に起きるものでもないため、いざ修理となると費用がどれくらいかかるのか不安に感じる方も多いと思います。
この記事では、水漏れ修理の相場や修理箇所別の費用目安、水道業者選びのポイントまで丁寧に解説していきます。
この記事を読むことで、「実際に修理を頼むとどれくらいかかるの?」という疑問が解消でき、不要に高額な請求を避けるための知識が身につきます。
予防や応急処置のコツもまとめていますので、いざという時に役立てていただければと思います。
水漏れ発生時の応急処置方法


水漏れが起きた際には、被害を最小限に抑えるために落ち着いて応急処置を行うことが重要です。
まず結論から言うと、「水の勢いを止める」ことが一番のポイントです。
家庭でできる流れを実際の現場での経験も含めわかりやすく解説します。
1. 水漏れ箇所を特定する
最初に、どこから水が漏れているのかを素早く確認しましょう。
浴室、キッチン、洗面所、トイレ、給湯器など、ご家庭の中で水を使う場所はいくつか考えられます。
- 蛇口の付け根や根元から
- 配管の繋ぎ目や床面から
- トイレのタンクや便器のまわりから
- 給湯器や洗濯機回りなど
水漏れの状況や原因によって、処置の方法も変わってきますので、まず落ち着いて「どこからどの程度」水が漏れているのか観察してください。
2. 止水栓や元栓を閉めて水を止める
次にするべきことは水を止めることです。
これがもっとも大事な応急対応となります。
水漏れの場所 | 推奨される止水方法 | 備考 |
---|---|---|
キッチン/洗面台/トイレ | 各設備の止水栓を閉める | 止水栓が見つからなければ水道の元栓を閉める |
浴室 | 水栓の止水栓または水道の元栓を閉める | 設備によって止水栓がない場合あり |
給湯器・温水器 | 給湯器専用の止水栓/元栓を閉める | ガス栓は触らないこと |
水道管(屋外・床下) | 家全体の水道の元栓を閉める | 分からない場合は外にある「量水器ボックス」内のバルブを回す |
止水栓には、手で回せる「ハンドル式」とマイナスドライバーを使う「ネジ式」があります。
あらかじめ家の各所の止水栓の位置と形状を把握しておくといざという時に慌てません。


3. 水漏れ箇所の応急補修を行う
止水後は、漏水の被害が広がらないよう応急的に対処しましょう。
タオルや雑巾で水を受け止めたり、バケツを置いて床への拡大を防ぎます。
配管の亀裂や継ぎ手が緩んでいる場合には市販の防水テープ(自己融着テープなど)を使ってゆるく巻き、仮止めしておくのも有効です。
あくまでも一時的な補修なので、速やかに修理や業者への相談を行いましょう。
- ハンドタオル・雑巾で応急ふき取り
- 漏水部分にテープを巻く(自己融着テープ・ビニールテープ等)
- バケツで受け止める
4. 二次被害の防止を心がける
水が床や壁にまで及びそうな場合は、家財や電気製品が濡れないように移動しましょう。
また、近くにコンセントや電源タップがある場合は、ブレーカーを落とすなど感電への注意も必要です。
マンションや集合住宅では、階下漏水によるトラブル防止のため、管理会社にもすぐ連絡しましょう。
5. 修理手配・相談のポイント
応急処置後は、原因に応じてご自身で対応できる範囲か、専門の水道業者への依頼が必要かを判断します。
- 軽微なパッキン交換等はDIYも可能(無理な場合はやめる)
- 漏水が止まらない、床下や壁内の場合は必ず修理業者・水道局指定業者に連絡
- 集合住宅の場合は必ず管理会社・家主にも報告
初動で落ち着いて対処できれば、被害を最小限に抑えられます。
なお、止水を急ぐあまり強引に栓を回すとバルブが壊れる場合もあるので、無理のない範囲で行いましょう。
力を入れても栓が動かない時は早めに水道屋さんに相談してください。
【場所別】水漏れ修理費用の相場一覧


水漏れ修理の費用は「水漏れが発生した場所」と「修理内容」ごとに大きく金額が変わってきます。
実際の金額は現場の状況や部品の種類、劣化の度合いによって違いますが、ここでは代表的な箇所におけるおおよその修理費用相場をわかりやすく一覧表でまとめて解説します。
修理場所 | 主なトラブル例 | 費用相場(税込) | 備考 |
---|---|---|---|
蛇口・水栓・シャワー | パッキン劣化/部品交換/本体交換 | 5,000円~30,000円前後 | 本体交換時は蛇口価格が別途必要 |
キッチン・洗面所下 | 排水管・給水管からの水漏れ ホースの劣化・破損 | 10,000円~30,000円前後 | 部品・配管素材によって上下あり |
トイレ・トイレタンク | 止水栓・ホースの劣化/ タンク内部品の交換 | 8,000円~20,000円前後 | 部品点数が多いと費用が上がる傾向 |
浴室(風呂場) | 蛇口混合水栓・シャワー ホース・バスタブの栓 | 10,000円~60,000円前後 | サーモスタット水栓交換は高額 |
給湯器・温水器 | パッキン交換/本体劣化・故障 | 部品交換:5,000円~ 本体交換:100,000円~250,000円程度 | 本体交換は設置年数を目安に検討 |
水道管(給水管・給湯管) | 屋内外の配管のひび割れ・破損 | 10,000円~50,000円前後 | 床下・壁中など施工場所で変化 |
費用相場はあくまで目安ですが、お手元の状況が上記の範囲に収まっているかを確認するだけでも、不要な高額請求を避ける目安になります。
特にキッチンや浴室、屋外配管の修理は、状態によって追加作業や部材費が発生することもあるので、必ず見積もり内容を確認しましょう。
蛇口・水栓・シャワーの水漏れ修理の相場
蛇口や水栓、シャワーの水漏れ修理では、もっとも多いのがパッキンやカートリッジの劣化による水漏れです。
部品交換なら5,000円~10,000円ほどが目安ですが、蛇口本体の交換になると本体価格を含めて20,000円~30,000円程度になるケースも少なくありません。
レバー式やサーモスタット混合水栓の交換はやや高額ですので、事前に費用を確認されることをおすすめします。


キッチン・洗面所下の水漏れ修理の相場
キッチンや洗面台の下からの水漏れは、多くの場合パイプやホースの劣化、ナットのゆるみ、パッキンの劣化が原因です。
部品交換や接続部分の補修のみなら10,000円程度で済みますが、配管自体の交換や排水トラップの交換が必要になると30,000円前後かかる場合もあります。
素材や部品の種類によっても費用が変わります。


トイレやトイレタンクの水漏れ修理の相場
トイレの水漏れは止水栓、給水ホース、タンク内部品といった複数箇所から発生します。
比較的軽度なパッキン交換やボールタップ・ゴムフロート交換は10,000円前後、タンクの部品交換や給水管の交換など、修理箇所が複数重なる場合は20,000円程度までかかることもあります。
複数箇所の劣化が同時に見つかりやすいので、現場で見積もりをよく確認しましょう。


浴室での水漏れ修理の相場
浴室の場合、シャワーホースや蛇口本体、バスタブの排水やゴム栓が水漏れの原因になるケースが多いです。
パッキンやホース交換なら10,000円以内で済むこともありますが、サーモスタット混合水栓(温度調節付の蛇口)本体を交換する場合は40,000円~60,000円と高額になる傾向があります。
修理か交換か、業者の見積もりで慎重に判断することが大切です。


給湯器や温水器の水漏れ修理の相場
給湯器や温水器からの水漏れはパッキンや一部部品であれば5,000円~15,000円程度で修理できるケースもあります。しかし本体が老朽化している場合は、安全面も考慮して本体ごと交換が必要になることが多く、その場合100,000円以上の費用がかかります。
給湯器の設置年数やメーカー保障の有無も含めて検討するのが安心です。
水道管(給水管・給湯管)の水漏れ修理の相場
屋内・屋外を問わず、配管のつなぎ目のパッキンやナットの緩み、配管自体の劣化による水漏れは、修理・部分補修で10,000円~30,000円ほどが相場です。
壁や床下、屋外での配管工事の場合、調査や復旧工事が必要になるため、場所や範囲、状況によっては50,000円近くかかることもめずらしくありません。
配管の状態や対応範囲によって見積もりをしっかり比較しましょう。


このように水漏れ修理費用は、「発生箇所」「トラブルの重症度」「必要部品」によって大きく変化します。
予想外の高額になるのを防ぐためにも、事前におおまかな費用相場を把握し、安心できる業者選びや複数社での見積もり比較を心がけてみてください。
修理費用が高額になるケース


水漏れ修理の費用は小規模な部品交換だけで済む場合から、思わぬ追加料金が発生して高額となってしまう場合まで様々です。
ここでは、一般的な相場より高くなる主なパターンについて整理し、なぜ費用が上がるのかを説明します。
ケース | 主な理由・要因 |
---|---|
床下・壁内配管の修理 | 見えない箇所は調査や解体作業が必要になり、人件費・復旧費も加算されるためです。 |
大規模な部材交換や配管引き直し | 給水管・給湯管自体の劣化の場合は、新しい管への全交換となり高額になってしまいます。 |
特殊部品やメーカー専用部材の使用 | 古い給湯器や海外製など、市販されていない部品は取り寄せに追加コストが発生します。 |
腐食や二次被害の修繕費 | 水漏れによる床材や壁材のカビ・腐食が見つかった場合、内装の補修費も請求されます。 |
早朝・深夜や休日の緊急対応 | 時間外・エリア外などは割増料金がかかるケースが多いです。 |
床下や壁の中で水漏れが起きている場合
水漏れが「床下」や「壁の中」で発生していると、状況確認や漏水箇所の特定に時間と手間がかかります。
調査・断熱材や床材の解体、復旧作業が必要になるため、一般的な修理に比べてトータル費用は高額になりやすいと言えます。
配管全体の交換や大規模な工事が必要な場合
給水管や排水管などが経年劣化や腐食によって破損・損傷している場合は、部品交換レベルでは解決できません。
特に築年数が古い建物では、配管全体の引き直しや大規模な工事が必要となり、工賃・部材費ともに料金が高くなります。
特殊部品やメーカー専用部品の取り寄せ
TOTO・LIXIL・KVK・カクダイ・ノーリツなど、大手メーカーでも年式の古い製品や、海外メーカーの場合は、通常の店舗で部材が入手できないことも。
その際はメーカーから部品を取り寄せる必要があり、部品代や送料が上乗せされるので費用が高くなります。
水漏れによって二次被害が出ているケース
長期間放置された水漏れでは、床板の腐食や壁紙のカビ、下の階への漏水(マンションの場合)などの二次被害も発生します。
漏水修理だけでなく、内装補修やクリーニング、損害賠償費用まで請求対象となり、総額が大きくなってしまいます。
時間外や緊急時の割増料金
夜間や早朝、休日、または通常の対応エリア外での修理依頼では出張費・割増料金が発生するのが一般的です。
業者によっては5,000円~10,000円程度の追加費用がかかることもあるため、事前確認がおすすめです。
このように、「原因が特定しにくいケース」「部品の調達が難しいケース」「二次被害が発生しているケース」「時間外対応」のいずれかにあてはまる場合、修理料金の相場を大きく上回ることがあります。
気になる時は、必ず詳細な見積もりの内訳を確認し、必要性について納得した上で依頼することが大切です。
水漏れ修理業者の選び方と見積もりのポイント


水漏れ修理を安心して依頼するためには、業者選びと見積もりの確認がとても大切です。
ここでは、料金トラブルを避けて技術・信頼性の高い水道業者を選ぶためのポイントを解説します。
見積もり無料の水道修理業者に依頼する
まずは、修理の見積もりが無料の水道屋さんに依頼することをおすすめします。
大手の「水PRO」「クラシアン」や「水の救急隊」「みんなの町の水道職人」など日本各地の実績ある水道屋さんは、現地確認・見積もりまで無料の場合が多いです。
ただし、「●●区限定で無料」「契約した場合のみ無料」といった条件がある会社もありますので、必ず事前に確認しておきましょう。
業者名 | 見積もり | 出張費 | 特徴 |
---|---|---|---|
水PRO | 無料 | 無料 | 24時間受付・最短15分訪問・アフターフォロー有 |
クラシアン | 無料 | 無料 | 全国対応・最大手・即日対応 |
みんなの町の水道職人 | 無料 | 無料 | 3年保証制度・全スタッフ正社員 |
水の救急隊 | 無料 | 無料 | 安心のアフターフォロー・24時間相談 |
見積書や詳細な料金の説明がない水道業者は要注意です。
必ず納得できるまで説明を求めてください。
最低2~3社から相見積もりをとる
水漏れは緊急性が高く焦りがちですが、できれば2~3社の見積もりを比較することが大切です。
同じ内容の修理なのに、水道屋さんによって施裕理費用が大きく異なるケースが多々あります。
相見積もりを取ることで相場を把握できるだけでなく、作業内容や説明の丁寧さの違いも見えてきます。
対応が雑な水道業者や、電話口での案内や説明が不十分な場合は慎重になりましょう。
水道局指定業者か確認する
水道局指定業者であるかどうかは、修理の安全性や信頼性の指標です。
各自治体の水道局公式サイトには、「指定給水装置工事事業者」の一覧が公開されています。
指定業者は、適正な工事・法律順守・技術力があると認められているため、安心して依頼できます。
ただし、指定業者=必ず安価という訳ではありませんので、見積もりや説明内容も比較しましょう。
確認項目 | チェック方法 | 注意点 |
---|---|---|
水道局指定業者か | 業者に直接質問/水道局HPで検索 | 名ばかりの指定業者や、別名義の場合もあるので要確認 |
見積もり無料か | WEBサイトや電話で確認 | エリアや条件により有料となる場合がある |
追加料金の有無 | 見積書に明記されているか | 説明なしの追加請求は避けましょう |
近年は全国で悪質な水道業者による高額請求トラブルが増加しています。
「事前見積もり・料金の明確化・水道局指定」この3つのポイントをおさえて、安心できる修理業者を選びましょう。
火災保険で修理費用を抑えられることも


知らない方も多いのですが、水漏れ修理の費用が火災保険や家主の対応、水道料金の減免制度などで軽減できるケースがあります。
そのため、実際に水漏れが発生した際は「保険が使えないか」「水道料金の減免が可能か」なども必ず検討していただくことをおすすめします。
この章では、火災保険が水漏れトラブルにどのように役立つのか、またその他の負担軽減策について、詳しく整理してご紹介します。
火災保険が適用されるケース
火災保険という名前から「火事のときしか使えない」と思われがちですが、実際には水漏れによる「建物や家財・壁や床の損害」にも保険金が支払われる場合があります。
重要なのは「水道修理そのもの」には保険が適用されず、水漏れで濡れてしまった壁・床・家具・家電、あるいは漏水による下階への損害賠償などに保険金が支払われるという点です。
そのため、自宅やマンションで水漏れ事故が起こった場合は、必ず火災保険の契約内容を確認し、保険会社に連絡してみましょう。
とくに賃貸住宅では1年ごとに火災保険の更新が必要な場合が多いので、うっかり更新を忘れてしまわないよう注意が必要です。
費用項目 | 火災保険の適用 | ポイント |
---|---|---|
修理にともなう水道部品・水道工事 | 不可 | 工事費・部品代は保険対象外 |
水濡れした家財・床・壁・天井の修理 | 可(原因・契約による) | 大抵は補償の対象。証拠写真や修繕見積もりが必要 |
階下への損害賠償(マンションなど) | 可(契約による) | 賠償責任特約付きなら支払われることが多い |
家主が修理費用を負担してくれるケース(賃貸の場合)
マンション・アパートといった賃貸住宅では、水漏れトラブルが発生した際、住宅設備の経年劣化や不可抗力による故障は、家主(大家さん)が修理費用を負担してくれることが少なくありません。
まずは必ず大家さんや管理会社に連絡し、指示を仰ぎましょう。
勝手に修理業者を呼んでしまうと、費用を自己負担しなければならないことも。
専属の修理業者がいる場合もありますので、自己判断で修理を進める前に必ず相談してください。


水漏れによってかさんだ水道代が減額できるケース
水漏れによる水道料金が跳ね上がってしまった際にも、条件を満たせば減額される場合があります。
条件は各市区町村の水道局によって異なりますが、以下が一般的です。
- 故意や過失による漏水でない
- 壁や地中の見えない配管などの漏水
- 水道局指定の工事店で修理している
- 発生から2ヶ月以内に申請する
申請にあたっては、修理後に「修繕証明書」や「減免申請書」(いずれも水道業者・水道局から取得)が必要です。
見える部分の漏水や放置によるものは自己負担となりますので、あらかじめ条件を確認し、必ず水道局に問い合わせましょう。


軽減策 | 内容 | 利用条件 |
---|---|---|
火災保険 | 家財や建物の損傷への補償 | 漏水による損害発生・契約内容次第 |
家主負担 | 賃貸の住宅設備トラブル | 経年劣化・不可抗力・入居者に過失なし |
水道代減額 | 水道料金の一部免除 | 各水道局の規定・申請必須 |
このように、水漏れ修理の費用そのものは自己負担となることが多いですが、「付随する損害」や「余計に発生した水道料金」などは保険等の活用で軽減できる場合があります。
状況に応じて、火災保険や管理会社への連絡、水道局への相談も合わせて行いましょう。
まとめ
水漏れ修理の費用相場は、症状や場所によって幅がありますが、事前に目安を知っておくことで適正価格を判断しやすくなります。
私の経験上、見積もりを複数取り、水道局指定業者に依頼することがトラブル防止につながります。
場合によっては火災保険も活用できるため、落ち着いて対応しましょう。