下水の逆流が発生する4つの原因と対処方法！大雨やつまりに注意

日常生活の中でいつも通りトイレやお風呂を利用していると、水が流れずに溢れ出てきて焦ってしまった経験がある方も多いのではないでしょうか？
下水が床にまで逆流してきてしまうと下水特有の臭いが室内へ広がったり、掃除が大変ですよね。

トイレやキッチンなどの排水口から水が逆流してしまうのは、排水管のつまりが大きな原因です。
逆流はつまりによって水の通り道がなくなった状態で起こるため、つまりの原因を解消することで改善されます。

この記事では、それぞれの水道設備において、下水が逆流してくる原因と防止する方法についてご紹介します。
「下水が逆流すると、どのような被害が起きてしまうのか？」についても併せてご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

なぜ下水が逆流するのか？

何らかの原因で排水管を汚水が遡り溢れ出してしまう現象を逆流といいます。

トイレやキッチンだけでなく洗濯機の排水口や洗面台の排水口、家の外の排水桝などから下水が逆流してしまうことがあります。

また、状況によっては屋内だけでなく、屋外も下水本管からの逆流被害にあってしまう可能性があります。

以下では、水道設備の排水管つまりによる逆流と大雨などによる逆流の特徴についてご紹介します。

水道設備の排水管つまりによる逆流

排水つまりが起きてしまうのはほとんどの場合、使用者のメンテナンス不足や大量に流したことが原因です。

逆流は日常的に排水口の掃除をしたり、異物などを流さないように気を付けることで防止できます。

大雨などによる逆流

記録的な豪雨や台風などの災害時には予想以上の降雨量になり、排水管の排水能力を上回ってしまうことがあります。

過去の大雨で、ニュースを見たことがある方も多いのではないでしょうか。

大量の雨水が排水管内に流れ込んで雨と汚水でいっぱいになってしまい、必要な排水能力を発揮できない状態です。

排水管は、通常であれば多少の雨でも排水に影響がないように設計されています。

大雨による下水の逆流は一時的なものなので、心配はありません。

ですが、一気に大量の雨が流れ込むゲリラ豪雨などが起きた時は、雨が止むまで排水が追いつかなくなってしまいます。

屋内で下水の逆流が起きる4つの水道設備｜逆流の原因と対処法

屋内で下水の逆流が発生する原因のひとつに、排水管のつまりがあります。
キッチン・お風呂・洗濯場・洗面所・トイレなど、屋内には水道設備がありますが水道設備によって排水管がつまってしまう原因は様々あります。
そして同じつまりが原因による下水の逆流でも、つまってしまった排水管の箇所によって原因や対処法は異なります。
以下では、それぞれの水道設備で引き起こされる下水が逆流してしまう原因と対処法や解決法についてご紹介します。

トイレで下水が逆流する原因と対処法

屋内で下水の逆流が起きる場所としてもっとも多いのが、トイレの排管です。

トイレは毎日使用する場所なので、排水管に汚物などの汚れが溜まりやすいです。

また、一度に大量のトイレットペーパーを流した場合なども排水管内でつまる原因となります。

トイレの排管が詰まると水の通り道がなくなり、レバーを回しても水が流れません。

さらに便器内の水が上昇して水位が上がり、汚水が床へ逆流してしまいます。

トイレットペーパーや排泄物は、水に溶けやすい水溶性物質なので時間を置くことで解消されることも多いです。

対処法としては、空気圧の力を用いるラバーカップが最も手軽で有効な手段になります。

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2024.07.25

また、ラバーカップを使っても解消できない頑固なつまりは、ワイヤーの先にブラシがついている工具で直接的につまりを除去できます。

比較的簡単に作業できる手動式のワイヤー式パイプクリーナーはホームセンターなどで購入できます。

トイレのつまりによる逆流の注意点

ラバーカップなどの道具を使ってもつまりが解消されない場合は、水道修理業者に依頼しましょう。

例えば水に溶けない生理用品や、おむつなどの異物によるつまりはラバーカップでは対処できません。

繰り返しつまって逆流が引き起こされる場合は根本的なつまりの原因を特定し、解決する必要があります。

キッチンで下水が逆流する原因と対処法

キッチンでは、洗い物中に排水が流れずシンクに逆流してきたり、ゴボゴボと異音がすることがあります。

キッチンの排水管がつまる主な原因は、以下の通りです。

料理に使用する油は冷えると固まる性質です。さらに洗い物に使う洗剤と混合することで、ドロドロとした固形物になってしまうことがあります。

キッチンの下水の逆流を予防するためには、油をキッチンペーパーなどに吸わせてから処理することが大切です。

油汚れを拭き取ってから食器を洗うことで洗い物も楽になり、節水効果があるためおすすめです。

キッチンの排水管が詰まったときは、トイレと同じくラバーカップを使用して対処します。

キッチン用に小さめのラバーカップを用意することをおすすめします。

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2024.07.25

キッチンのつまりによる逆流の注意点

キッチンで下水が逆流してしまう場合の原因は、多くは 詰まりによるものがほとんどです。

キッチンの詰まりを解消するためには、ワイヤー式パイプクリーナーやお湯を使って対処します。

ただし、キッチンの詰まり解消にワイヤー式パイプクリーナーを使うときは注意が必要です。

無理に排水口にワイヤーを挿入すると、シンク下と下水管を繋ぐジャバラ部分を破損してしまう恐れがあります。

また、油汚れによる詰まりを解消するためにお湯は効果的ですが、熱湯は絶対使用しないでください。

キッチンの排水管はポリ塩ビ化ビニルが使用されてますが、熱湯を流してしまうと変形したり破損する恐れがあります。

お風呂で下水が逆流する原因と対処法

お風呂場では、シャワーを流しているといつのまにか足元に水溜まりができてしまうことがあります。

または浴槽に溜めた水を流すために栓を抜いたら、お風呂の床に水が溜まってしまうこともあります。

お風呂場がつまる原因は以下の通りです。

抜け落ちた髪の毛に石鹸カスなどが付着すると頑固なつまりとなり、ヘドロ状になると悪臭が漂ってしまいます。

ラバーカップはお風呂場のつまりにも有効です。また、髪の毛のつまりを溶かすために液体のパイプクリーナーなどの薬品を使用するのも効果的です。

お風呂詰まりに液体のパイプクリーナーを選ぶときは、水酸化ナトリウムの濃度が1％以上のものをおすすめします。

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2024.07.25

お風呂のつまりによる逆流の注意点

お風呂の詰まりに薬品を使用するときは、他の洗剤や薬品と混ぜて使用しないように注意してください。

薬品のラベルを確認すると、「混ぜるな危険」と記載されているものがあります。

薬品によっては人体に有害な毒性のガスが発生する恐れがあるため、必ず使用上の注意を守った上で使用しましょう。

また、掃除した後は丁寧に洗い流すことが大切なポイントです。

洗濯機で下水が逆流する原因と対処法

洗濯機の排水口から逆流してくる場合、多くは排水管のつまりが原因です。

防水パンに水が溜まっているときは、排水口や排水管のどちらかがつまって排水できていないことが原因になります。

洗濯機の排水管が詰まる原因は、主に以下の通りです。

洗濯機では洗濯が終わったと思って確認したときに、エラーが出ていて自動で運転中止となっていることがあります。

ですが、この場合は逆流ではありません。洗濯機から排水された水の中に、混ざった髪の毛や糸くずがつまったことが原因で引き起こされる排水トラブルです。

多くは洗濯機から排水口までの蛇腹ホースで起こっている場合が多いため、ホースを新しく交換することで改善されます。

洗濯機の排水トラブルを予防するためには、洗濯機用の薬剤を使用して定期的に内部とホースの掃除を行うことが重要です。

洗濯機のつまりによる逆流の注意点

注意していただきたいのが排水管が詰まったと同時に、排水エラーを感知する機能が壊れている場合です。

排水が溢れ出して漏水してしまう恐れがあり、集合住宅の場合は階下にまで浸水する恐れがあります。

排水管の逆勾配による下水の逆流は注意

勾配とはいわゆる角度のことです。排水管は上から下へ向かって流れるように、勾配（角度）が付いている坂道になっています。
この排水管の勾配がなんらかの原因で逆になり、上り道になっていることを逆勾配と呼びます。

排水管の逆流の原因で注意しなければならないのは「排水管が逆勾配になっていることで引き起こされる下水の逆流」です。

定期的に排水管の掃除を行っているのに水の流れが悪い場合や、地震が起きてから水の流れが悪くなったと感じる方は要注意です。

水道設備の排水管が逆勾配となっている可能性があるため、すぐに水道修理業者に依頼して調査をしてもらうようにしましょう。

排水桝や浄化槽のメンテナンス不足による下水の逆流

汚水槽は年に1回の汲み取りが義務付けられていて、必ず溜まった汚泥の処理が必要です。
このメンテナンスを怠ると、汚水槽でつまってしまい逆流が発生する原因になります。

洗剤や油が混ざった水や汚物が混ざった水がそのまま河川や水路に流されないように、各家庭には必ず排水設備が設置されています。

浄化槽は個人の敷地内に設置した浄化槽で排水を処理し、河川や側溝に放流します。

『汚水』『雑排水』『雨水』の3つに区別され、排水処理されます。
またお住まいの地域によっては浄化槽か本下水に分かれています。
本下水は公共下水道を使用して排水処理を行う設備で、敷地内の排水桝で油の比重を利用して分別され市町村が管理する終末処理場に集められます。

排水桝がつまっていることが原因

排水桝は屋外にあり、一定の間隔で設置が義務付けられている排水設備です。
点検口の役割もありますが、主な役割としては汚泥の沈殿や分割です。
この排水桝のメンテナンスを怠っていると、汚泥や異物が排水を堰止めてしまいます。
また排水枡は複数設置されていますので、全体的につまり始めると高圧洗浄で全て洗管する必要も出てきます。
定期的に排水枡の蓋を開けて、つまりの症状がないか確認するようにしてください。

浄化槽の汲み取りを行っていないことが原因

浄化槽は、微生物を繁殖させる装置と水を消毒するための装置がついています。

汲み取りなどを怠っていると詰まって排水が流れることができず、逆流する恐れがあります。

敷地内に汚水が溢れてしまうことになるので注意が必要です。

• 液体と固体に分ける分離槽

• 空気を吹き込んで微生物を繁殖させるばっ気槽や沈殿槽
• 消毒槽などから構成されている汚水処理施設

大雨が原因の逆流対策

突然の豪雨が数時間続くような場合は、一度に大量の配水を行うことは避ける、雨が落ち着いてからお風呂の配水や洗い物をするようにしましょう。
トイレなどは特に注意が必要で、大雨のときに便器から下水が噴き出してしまうこともあります。
排水がゴボゴボといっているときは、できるだけ大雨時はトイレの使用を控えたほうが無難です。

このような逆流時には大きめのビニール袋で「水のう」を作り、排水口に設置することで下水が溢れ出るのを防ぐことができます。
水のうはビニール袋に水を入れるだけで作ることができます。
排水口に密着させるように上から置くだけで、排水口の「蓋」として逆流を防いでくれるため、大雨の時などはぜひ使ってみてくださいね。

下水の逆流が起きる前の3つの兆候

トイレ・キッチン・お風呂・洗濯場・洗面所などで突然起きてしまう下水の逆流ですが、よく観察してみると逆流の兆候がある場合があります。
つまりの兆候をあらかじめ知っておくことで、排水管のつまりや配管の不具合などを事前に察知して汚水による被害を防ぐことができるのでしっかりと覚えておきましょう。
以下では、下水の逆流が起きる前の3つの兆候についてご紹介します。

排水の流れが悪い

日常生活の中で「いつもより排水に時間がかかる」場合は、排水管内でつまりが生じてしまっている可能性があります。

毎日使用している水道設備だからこそ、感じた違和感はとても重要です。
例えば、「キッチンで洗い物をしていたらシンクの水の引きが悪い」「水が溜まってしまう」などです。
時間がたつと流れていくのでそのまま放置してしまいがちですが、このような症状が出たときには早めに対処しておくようにしましょう。

ゴポゴポと音鳴りがする

トイレを流したり、シンクの水を大量に流したときに排水口の奥から「ゴポゴポ」と空気の混じる音が聞こえませんか？
水道設備から排水口に流れ込むときに空気を含んだ音であれば問題はありません。

ですが、排水管内部でゴポゴポとした音鳴りが発生している場合はつまっている可能性が高いです。

ゴポゴポと音鳴りがする場合は、ラバーカップやワイヤー式パイプクリーナーなどを用いて排水管のつまりを取り除くようにしましょう。

排水口からゴボゴボ音がする5つの原因と対処法！放置したらどうなる？

排水管からゴポゴポと音がする場合に、もっともよくある原因として多いのが汚れの堆積です。もしくは、排水管のどこかで詰まりが起きかけている前兆でもあります。排水管の内部がつまってしまった結果、空気が流れることができず、ゴポゴポと音鳴りしてしまうことが上げられます。そこで本記事では、排水口から聞こえるゴボゴボという音の原因と対処法について解説しています。

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2024.07.25

トイレの便器内の封水が低く

トイレの便器内に溜まっている封水は、下水から悪臭や虫が上がってこないためにつくられている排水トラップです。

この封水の量がいつもと違う場合は排水管のつまりを疑うようにしましょう。

排水管がつまってしまうと適正水位に保てなくなる場合が多いだけでなく、トイレタンク内の部品の故障や劣化などの可能性も考えられます。

タンク内の部品の故障や劣化は逆流とは直接的な関係にありません。

ですが水の流れる量を調整できなくなり、十分な洗浄効果を得られなくなってしまった結果、つまりの原因になってしまうことがあります。

トイレの水位が低いのはつまりが原因？水位が低くなるときの対処法

ふとトイレを見ると「あれ…？なんかトイレの水位が低い気がする…」「トイレが下水臭い」と感じられたことはありませんか？トイレの水位が明らかに減っている場合は、トイレに何らかのトラブルが発生している可能性があります。そこで本記事では、トイレの水位が低い原因と対処法について紹介します。トイレの水位の役割や、賃貸住宅での対処方法についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

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2024.08.09

マンションなどの賃貸物件で下水の逆流が起きた時の対処法

マンションやアパートなどの賃貸物件で下水の逆流が発生した場合は、早急に大家さんか管理会社に連絡しましょう。

戸建てと違って排水管も共用部分になるため、自分の判断で対応することはできません。

建物下部の浄化槽が詰まっていることも多いです。

また、つまりが原因ではなく、排水管のトラブルが逆流の根本的な原因となっている可能性もあります。
汚水による被害が発生してしまってから事後報告となってしまうと、責任問題にもなりかねません。

それぞれの世帯の水道設備の排水管でつまりが発生している場合、管理不足などによるものであれば大家さん負担で対処してくれるケースもあります。

下水の逆流が起きるとどんな被害がでる？

トイレやキッチンなどからの逆流、そして洗濯機の排水管からの逆流はそれぞれ被害の大きさも種類も変わってきます。

以下では、下水の逆流が起きた場合に考えられる被害について解説します。

汚水で部屋が水浸しになる

トイレやキッチンで下水の逆流が起きてしまった場合にもっとも大きな被害は、部屋が汚水で水浸しになってしまうことです。
在宅時の逆流であれば対処できますが、不在時の大雨などでトイレから逆流してしまった場合には大きな被害となってしまいます。

また、つまりが原因で引き起こされる逆流は、一度だけではなく何度も繰り返し発生する可能性が高いです。

悪臭がひどく臭いがとれなくなる

屋内で下水の逆流が発生してしまい溢れ出てしまったときに気になるのは、下水の悪臭です。

香りの強い芳香剤などは臭いが余計にひどくなる可能性が高いため、まずは汚臭をできるだけ軽減させることが重要なポイントです。
タオルを濡らして振り回すと臭い成分を吸着する効果があります。

そして脱臭効果のある炭を置くのも有効です。卵が腐ったような臭いはマッチを一本使うだけで消臭できます。

マッチの発火部分の硫黄を燃やすことで発生した二酸化硫黄が硫化水素と結び付いて、臭いのない水と硫黄に化学変化するためです。

集合住宅の場合は下の階に被害を出してしまう

集合住宅で下水の逆流が起きてしまうと被害に合ってしまうのは、その部屋の居住者だけではありません。

洗濯機の排水漏れで逆流してしまったりすると、設置されている排水パンから溢れ出て下の階へ漏水被害を与えてしまう危険性もあります。

つまりなどの不具合が発生した場合はすぐに大家さんや管理会社へ連絡した後、適切に対処するようにしましょう。

下水の逆流が起きたら水道修理業者へ依頼して根本的原因の解決を

短期間の間に下水の逆流だけでなく、排水が流れにくいという症状が多発するようであれば水道修理業者に依頼することをおすすめします。

下水の逆流の多くはメンテナンス不足による排水管のつまりが原因です。

排水管のつまりをラバーカップなどで一時的に改善できても、汚れのこびりつきなどを完全に除去できていないことが多いです。

逆流が繰り返し起きてしまう可能性が高く、根本的な解決にはなりません。

水道修理業者は高圧洗浄などを使用して、排水管内部を徹底的に掃除することができます。

sns上の下水の逆流についての感想や口コミ

まとめ

この記事では下水の逆流の原因や対処法について詳しく解説しました。

排水管のつまりや配管の逆勾配などの原因は放っておいても改善されることはなく、さらに悪化してしまいます。

下水の逆流が繰り返し続くと生活環境にも悪影響を与えてしまうため、早急に根本的な原因の解決を行うようにしましょう。

この記事でご紹介した下水が逆流してくる原因や、対処方法を参考にお悩みの解決にお役立ちしていただければ幸いです。