近年では、多くのご家庭や公共施設で取り入れられるようになっている『タッチレス水栓』についてご存知でしょうか?
タッチレス水栓は従来の水栓とは異なり、手をかざすだけでセンサーが反応して吐水できる水栓です。
衛生面やデザイン性などメリットがたくさんあるタッチレス水栓ですが、注意点も存在します。
例えば、電源の確保やセンサーの感度設定など、設置や調整に一定の注意が必要です。
この記事では、タッチレス水栓のすごい点を紹介するとともに、注意点も併せて解説します。
タッチレス水栓の導入を検討中の方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
【この記事を読んで欲しい人】
- タッチレス水栓の取り付けを考えている
- タッチレス水栓について知りたい
- タッチレス水栓のメリットを知りたい
- タッチレス水栓の注意点を知りたい
タッチレス水栓ってどんな蛇口?
タッチレス水栓とはその名の通り、手で触れることなく操作できる水栓です。
従来の蛇口と異なり、ハンドルやレバーを操作することなく、センサーに手をかざすだけで自動で吐水することができます。
以下では、タッチレス水栓の主な3つの機能についてご紹介します。
タッチレス水栓の機能➀:触れなくても吐水・止水できる
タッチレス水栓は、センサー部分に手をかざすだけで吐水・止水の操作ができます。
これまで感知することが難しかった透明なものや鏡面になっているものにも、高い感知精度で反応することが可能です。
また、LIXILのタッチレス水栓では操作を行う際に検知音が鳴り、耳でも操作を確認できる検知音出力という機能もあります。
音でタッチレス水栓の操作を確認することで、誤操作や水が出るまでのタイムラグもわかるので、安心して利用することができます。
タッチレス水栓の機能➁:色で水温表示してくれる
タッチレス水栓の機種によっては、吐水温度を色で表示してくれるタイプ(ルミナスサイン)もあります。
実際に水を触って水温を確かめなくても、ある程度の水温を目視で確認できるため、寒い冬に湯待ちをする必要もありません。
また、湯温が高温に設定されている場合も一目で危険だと察知することができます。
タッチレス水栓の機能➂:自動で止水してくれる
オートストップ機能が搭載されている機種は一定時間、放水を行うと自動で止水してくれるため、水の流しっぱなしを防止します。
吐水時間はTOTOやカクダイなど、メーカーや機種によって異なります。
詳しい吐水時間は製品の取扱い説明書や、メーカーの公式サイトに記載されている製品ページにて確認するようにしてください。
タッチレス水栓の導入メリット
タッチレス水栓は、利便性だけがメリットではありません。
実際にタッチレス水栓の導入を検討されている方のために、主なメリットについて6つご紹介します。
蛇口が汚れにくい
従来の蛇口は濡れた手や汚れた手でハンドルやレバーを操作するため、水垢やカビなどの汚れが付着しやすい特徴があります。
キッチンでは洗い物や、調理を行う際の油汚れがハンドルやレバーに付いてしまうことも。
その点タッチレス水栓は直接手で触る必要がないので汚れにくい、キレイな状態をキープできるといったメリットがあります。
手がふさがっていても水を出せる
手がふさがっていても水を出せるのは、タッチレス水栓独自のメリットの1つです。
例えば従来の蛇口の場合、鍋に水を溜めるために鍋底をシンク底に置いてから蛇口を捻る必要があります。
ですが、タッチレス水栓であれば両手で鍋を持っているときでも、蛇口のハンドルやレバーを触ることなく水を出すことができます。
自動で水が止まる
ほとんどのタッチレス水栓は、しばらく水が流れ続けると自動で水が止まる『オートストップ機能』が搭載されています。
オートストップ機能が作動する吐水時間は、メーカーや機種によって異なります。
- TOTOのアクアオート:1分間で自動的に水が止まる
- カクダイ:最大30秒間水を流し続けると自動で止水
節水になる
タッチレス水栓を使うことで、節水効果が高くなります。
忙しかったり考え事をしていると、「ついうっかり蛇口を閉め忘れていた…」なんてこともありますよね。
そんなときでもタッチレス水栓は一定時間、水を流しっぱなしにすると自動で水が止まるため、安心して使うことができます。
握力の無い方も手軽に使える
タッチレス水栓は蛇口を捻る必要がないため、握力が弱い方でも手軽に水道を利用することができます。
タッチレス水栓は、握力が弱くなって蛇口の使い勝手が悪いと感じている方や、お子様のために『簡単に使える蛇口』を探している方におすすめです。
衛生面で優れている
『レバーやハンドルを触らなくても吐水・止水操作が可能』なタッチレス水栓は、衛生面でも大きなメリットがあります。
例えばキッチンでは、生肉を扱った手で蛇口の操作を行うことが原因の、食中毒にも懸念する必要があります。
また、手に雑菌やウイルスが付着した状態でハンドル操作を行うと、蛇口のハンドル自体が汚染されることは想像が付くと思います。
新型コロナウイルスの感染防止のために非接触ニーズが高まった世の中では、直に触れる必要のないタッチレス水栓が注目を浴びています。
タッチレス水栓の注意点
シンプルなデザインかつ、高機能なタッチレス水栓に憧れている方も多いかもしれません。
しかし、実際にタッチレス水栓を設置して後悔する方も中にはいらっしゃるので、デメリットや注意点についてあらかじめ知っておく必要があります。
以下では、タッチレス水栓の具体的な注意点についていくつかご紹介します。
これからタッチレス水栓の導入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
電源が必要(電気代が掛かる)
タッチレス水栓は電気制御で吐水や止水を行うため、電源が必要不可欠です。
タッチレス水栓に交換すると、水道料金とは別に電気代が掛かることを意識しておきましょう。
実際に「どのくらいの電気代がかかるの?」と不安な方のためにTOTOのアクアオートを例に電気代を算出してみます。
TOTOアクアオート AC100V『TLE28SS1A』の1ヶ月の電気代の算出方法
- 消費電力×24時間×30日=電気使用量/月
- 電気使用量/月×電気料金/kWh(※)=毎月の電気代
- ※電力・ガス取引監視等委員会ホームページ/電力の状況調査結果高圧2021年3月より15円(税込)で計算
0.4W×24時間×30日=0.288kWh(電気使用量/月)
0.288kWh×15円=4.3円/月
計算しても分かる通り、タッチレス水栓の毎月の電気代は4.3円程度と非常に安いのが特徴です。
製品によっては乾電池や充電池タイプもあるので、電源の有無や設置環境によって選ぶようにすることもおすすめです。
電源がない場合は、電源を分岐して設置する必要があります。
停電時は手動で操作する必要がある
前述のとおりタッチレス水栓は、電源が必要不可欠です。停電時は手動で操作する必要があります。
停電したときのタッチレス水栓の応急処置は、以下の通りです。
タッチレス水栓 | 停電したときの応急処置 |
---|---|
水栓本体にレバーが付いている機種 | シンク下のキャビネット内にある、電源ボックスの手動弁を右方向に回す |
水栓本体にレバーが付いていない機種 | シンク下の手動ハンドルを直接回す |
ただし、これらの方法はあくまで停電時の応急処置なので、日常的に使う機能ではありません。
タッチレス水栓のメーカーや機種によっても操作方法は異なります。
タッチレス水栓の停電時の操作方法は、取扱い説明書やメーカーの公式サイトの製品ページで詳細を確認しておくようにしましょう。
水温と水量は手動で調整
タッチレス水栓は、水温と水量をその都度調整できません。
例としてLIXILのナビッシュシリーズのタッチレス水栓では、水栓根元の小さなレバーで操作を行います。
レバーを縦に動かすことで水量を調整し、横に動かすことで温度調整が可能です。
ですが、頻繁に操作するものではないため、基本的には水量と水温は固定して使うことになります。
意図せず水が出る事がある
タッチレス水栓はセンサーが反応して操作を行うため、意図していないタイミングで水が出ることがあります。
例えば食器を置いたり、カウンターの目の前を通っただけで水が出てしまうとことがあります。
シンクの掃除をしているときに水が出ると、洗剤がそのまま流れてしまうため、ストレスを感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
また、ペットを飼われているご家庭では、ペットがシンク付近を通過した際にタッチレス水栓が反応して水が出てしまうこともあります。
外出時や長時間使用しないときは、レバーを下げておくなどの工夫をすることも大切です。
若干のタイムラグがある
センサーに手をかざして吐水や止水を行うタッチレス水栓ですが、手をかざしてもすぐに反応しないことがあります。
機種やグレードによって反応速度は異なりますが、手をかざしてから1秒程度のタイムラグが起きるのが一般的です。
手動で操作する従来型の蛇口と比較すると、直感的な操作ができずに、わずらわしさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。
後付けできるセンサー式自動水栓もある
センサー内蔵型のタッチレス水栓は水栓本体ごと交換する必要があるため、プロの業者に依頼して工事を行う必要があります。
本体価格も3万5千円~と高額な上に、電気工事費用も追加で2万円前後かかるとなると、ランニングコストが心配ですよね。
そんな方には、後付けタイプのセンサー式自動水栓がおすすめです。
センサー式自動水栓には本体内蔵型以外に『吐水口に取り付けるタイプ』『蛇口に被せるタイプ』があります。
この2つのセンサー式自動水栓は、乾電池もしくは充電池を入れて使います。
電源を必要としないため、特別な工事をすることなく手軽に設置することが可能です。
それぞれの特徴や取り付け方法については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
各メーカーの代表的なタッチレス水栓
タッチレス水栓は、各メーカーから独自の便利機能が搭載されているさまざまなタイプが販売されています。
以下では、『TOTO』『LIXIL』『KVK』のメーカー別に代表的なタッチレス水栓を3つご紹介します。
どのようなタッチレス水栓を選べばいいか分からずにお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
TOTO|タッチレス水ほうき水栓LF
水道設備でトップシェアを誇るTOTOの『タッチレス水ほうき水栓LF』は、高い品質と洗練されたデザインが特徴。
TOTOの『タッチレス水ほうき水栓LF』
- 蛇口本体に高さがある
- 水跳ねを極限に抑えることが可能な幅広のミクロソフトシャワー
- ホースを外せばハンドシャワーとしても使うことができる
- センサーは水栓の側面についている
水ほうき水栓LFは蛇口本体に高さがあるため、広々としたスペースを確保できるのもうれしいポイント!
幅広いミクロソフトシャワーがしっかり広がって汚れ落としもあっという間に済み、節水効果が高いのが特徴です。
ホースを外せば便利なハンドシャワーとしても使うことができるので、シンクの掃除やお手入れもササっと行うことができるでしょう。
TOTO独自の『きれい除菌水』を使えば、除菌効果のある水がミスト状で噴き出して衛生的にキッチン環境を整えることが可能です。
LIXIL|ナビッシュ
リクシルのタッチレス水栓『ナビッシュ』は、これまでセンサーでは感知が難しかった透明のコップや鏡面の素材の感知精度が向上しています。
LIXIL|ナビッシュ
- 感知精度が高く、透明のコップや鏡面のものにも反応
- 操作時に検知音が鳴るので耳でも操作を確認できる
- 高い節水効果と省エネ性能
操作時に検知音が鳴るので、耳でも操作を確認することができます。
ナビッシュの『自動センサー』+『タッチレスセンサー』+『スポット微細シャワー』+『エコハンドル』では、高い節水効果と省エネ性能を実現します。
従来型のものと比較しても30%の節水だけでなく、37%の省エネ(都市ガス)効果があるのは驚きですよね。
年間で考えると水道代が2,900円、ガス代が8,400円も節約することが可能です。
使用感を重視しつつも、家計に優しいタッチレス水栓を探している方におすすめです。
KVK|タッチレスキッチン水栓[KM6071ECHS]
KVKタッチレスキッチン水栓はシャワーヘッドを引き出せるため掃除や洗い物もしやすく、デザイン性も高いおすすめのタッチレス水栓です。
KVK|タッチレスキッチン水栓[KM6071ECHS]
- シャワーヘッドを引き出せるため掃除や洗い物もしやすい
- 蛇口正面にセンサーが付いている
- シャワーとストレート水流の切り替えもボタン1つで可能
- 節水効果がある、きめが細かく水跳ねが少ないシャワー
蛇口正面にセンサーが付いているため、両手が塞がっていても簡単に吐水操作を行うことができます。
シャワーとストレート水流の切り替えも、ボタン1つで簡単に行うことが可能。
節水効果のあるシャワーは、きめが細かく水跳ねが少ないため食器洗いに最適です。
ストレート吐水は中央部からのシャワー吐水を外周部からの吐水で束ねているので、少ない水流でもしっかりと洗うことができる新構造です。
取り外し可能なシャワーヘッドはコンパクトなため、手が小さなお子様や女性でも簡単に操作できるでしょう。
吐水空間を広く確保し、使い勝手に優れたデザインは機能性を重視した方におすすめの製品です。
タッチレス水栓についてよくある質問
以下では、タッチレス水栓についてよくある質問をご紹介します。
タッチレス水栓はどんな仕組み?
タッチレス水栓は、センサーが反応すると信号が回路に送られ、電磁弁を開いて水を出す仕組みです。
センサー部分からは、常に一定の波長の光が照射され続けています。
この光の前に手や物を置くことで光が反射し、センサーのフォトダイオードに入り込んでセンサーが反応します。
ハンズフリー水栓とタッチレス水栓は何が違うの?
ハンズフリー水栓は吐水口部分にセンサーが内蔵、タッチレス水栓は蛇口本体にセンサーが内臓されています。
ハンズフリー水栓は吐水口の下に手や食器などを差し出すと自動的に吐水され、引き抜くと水が止まる仕組みです。
タッチレス水栓で必要な『手をかざす』という動作が不要なので、より簡単に水道を使うことができます。
停電してもタッチレス水栓は使えるの?
タッチレス水栓は停電した場合、一時的に手動に切り替えて使用する必要があります。
停電が起きたときのタッチレス水栓を手動操作で行う方法は、機種やメーカーによって異なります。
停電が起きたもしものときのためにも、メーカーの公式ホームページや取扱説明書を事前に確認しておくことをおすすめいたします。
まとめ
この記事ではタッチレス水栓の特徴やメリット、注意すべきポイントについて詳しくご紹介しました。
直接ハンドルやレバーを操作しなくても、手をかざすだけでセンサーが反応して吐水できるタッチレス水栓はメリットも多いです。
タッチレス水栓は各メーカーからさまざまなタイプが販売されていますが、製品によって性能やデザインが異なるため、慎重に選ぶ必要があります。
キッチンの環境だけでなく実際に使うときのことも考えて、メリットとデメリットをしっかり比較して検討するようにしましょう。
この記事でご紹介した、メリットや注意点を参考にしていただくなど、タッチレス水栓の疑問においてお役立ちできれば幸いです。
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