ベランダの排水溝つまりの原因と解消方法|自分でできる対策も解説


ベランダの排水溝がつまって水が溢れてしまい、お困りではありませんか?
水の救急隊では、水道修理のプロとして多くのお客様のベランダ排水溝つまりを解決してきました。
この記事では、ベランダの排水溝つまりの主な原因から自分でできる解消方法、業者へ依頼したほうが良いときの判断基準、そして今後つまりを防ぐための予防対策まで解説いたします。
ベランダは屋外ですので実にいろいろなものが詰ります。
葉っぱ、砂、ビニール片、虫など屋外ならではの詰まりについてご紹介します。
ベランダ排水溝つまりの主な原因


ベランダの排水溝がつまってしまう原因は、主に外部から侵入するゴミや汚れです。
ベランダの排水溝は屋内の配管よりも太めに設計されているため、通常の小さなホコリや汚れではつまることはありません。
しかし、特定の原因物が組み合わさることで、水の流れを妨げてしまうことがあります。
以下では、実際の現場でよく見かける4つの主要な原因について詳しく解説していきます。
葉っぱや枝などの自然物
葉っぱや小枝は、ベランダ排水溝つまりの最も一般的な原因です。
特に秋の落ち葉の季節や台風などの強風の後に多く発生します。
葉っぱ単体では排水溝を完全にふさぐことは少ないのですが、問題となるのは他の汚れと絡み合うことです。
例えば、湿った葉っぱに砂や土が付着し、それがさらに他のゴミと結合することで、汚泥となって排水溝の流れを妨げてしまいます。
また、小さな枝や茎なども同様に、排水溝の中で引っかかりやすく、そこに他の汚れが蓄積していく起点となることが多いです。
砂や土汚れの蓄積
砂や土汚れは、時間をかけて徐々に蓄積し、最終的に排水溝をふさぐ厄介な原因です。
これらは主に風によって運ばれてきたり、雨水と一緒に流れ込んできます。
近くに山や空き地があると、砂埃が風の乗って飛んできます。
砂や土は単独では水に流されやすいのですが、排水溝の曲がり部分や段差のある箇所に溜まりやすい特徴があります。特に問題となるのは、砂や土はが水分を含んで固まってしまうことです。
一度固まった砂や土は、通常の水圧では流れにくくなり、そこにさらに新しい汚れが付着することで、徐々に排水能力を低下させていきます。
ビニール袋やプラスチック片
ビニール袋やプラスチック片は、一度排水溝に入り込むと最も除去が困難な原因物となります。
これらは軽いため風で簡単に飛ばされ、ベランダに侵入しやすい特徴があります。
特に問題となるのは、これらの人工物が排水溝の中で引っかかると、まるで網のような役割を果たしてしまうことです。
その結果、本来であれば流れていくはずの葉っぱや砂などを捕捉し、大きなつまりの原因となります。
プラスチック系の原因物 | 発生頻度 |
---|---|
レジ袋・ビニール袋 | 高 |
食品包装フィルム | 中 |
ペットボトルキャップ | 低 |
髪の毛や繊維くず
意外に思われるかもしれませんが、髪の毛や衣類から出る繊維くずも、ベランダ排水溝つまりの一因となることがあります。
これらは主に洗濯物を干す際や、ベランダに選択意を置いている家庭で発生します。
髪の毛は特に、他の汚れと絡み合いやすい性質があり、小さな汚れを束ねる役割を果たしてしまうことがあります。
繊維くずについても同様で、特に古いタオルや衣類から出る細かい繊維は、湿った状態で他の汚れと結合しやすく、排水溝の流れを妨げる原因となります。
個々は小さくても、蓄積することで大きな問題に発展する可能性があります。
自分でできるベランダ排水溝つまりの解消方法


ベランダの排水溝つまりは軽度なものであれば、ご自宅にある身近な道具を使って解消することが可能です。
完全につまってしまう前に、水の流れが悪くなった段階で対処すれば、簡単に改善できることが多いのです。
ここからは、段階的に4つの方法をご紹介しますので、軽い症状から順番にお試しいただければと思います。
準備するもの
作業を始める前に、安全で効率的な作業のために必要な道具を準備しましょう。
準備をしっかりと行うことで作業がスムーズに進み、二次的なトラブルも防ぐことができます。
軍手とゴミ袋は必須
まず最初に準備していただきたいのが、軍手とゴミ袋です。
ベランダの排水溝つまりの原因の多くは、外から飛んできた葉っぱや砂・土などの汚れであることが多く、水を含んでいるため作業中に手が汚れてしまいます。
軍手を装着することで、衛生的に作業を進めることができますし、ゴミ袋は取り出したつまりの原因物をすぐに処分するために必要です。
汚泥など、汚いものは極力触りたくはないと思いますが、放置しておくと良いことはありませんのでキレイに取り除くためにも軍手かビニール手袋が必要です。
排水溝の奥の状況はライトで原因を確認しておく
必須ではありませんが作業前に、ライトを使ってつまりの原因物や位置を確認しておきましょう。
ベランダの排水溝の構造にもよりますが、懐中電灯やスマートフォンのライト機能を使って、奥の状況を把握しておくと作業量もわかります。
私がこれまで対応した現場では、稀にゴミではなく小動物が排水溝に入り込んでいたケースもありました。
動物の死骸は異臭を放っていますので、ゴミ袋を何重にも重ねたり、手にも厚手のゴム手袋を使用しました。
このように何がどの程度詰まっているかを把握できていればしっかりと準備ができます。
トングや長い棒を使ったつまり除去方法
それではベランダの排水溝に詰まっているものを取り除いていきましょう。
最初にお試しいただきたいのが、トングや長い棒といった身近な道具を使った方法です。
この方法は、排水溝のつまっている位置がそれほど深くない場合に特に効果的で、原因物を取り出したり押し出したりすることで解決できます。
浅い位置のつまり除去手順
まず、トングと排水溝に入る太さの長めの棒を準備してください。
つまりの原因物が浅い位置にある場合は、トングでゴミや汚れを慎重に取り出すことから始めます。
作業のコツとしては、全ての原因物を完璧に取り出す必要はありません。
水が流れるようになれば、水圧によって残りの小さな汚れは自然に押し流されていきます。
取り出したゴミは、排水溝に戻してしまわないよう、必ず準備しておいたゴミ袋に入れて処分してください。
奥のつまりを掻き出す方法
トングの長さでは届かない深い位置でつまりが発生している場合は、長い棒を使用して汚れの原因を引っ張り出す方法が効果的です。
私がお客様にお伝えしている重要なポイントは、最初は押し出すよりも引っ張り上げることを優先することです。
力任せに押し込んでしまうと、つまりの原因がより奥に入り込んでしまい、かえって状況を悪化させてしまう可能性があります。地道な作業になりますが、原因物を少しずつ取り出して水が流れるようになれば、つまりの解消は完了です。
スッポン(ラバーカップ)による解消法
トイレのつまり解消でよく使われるスッポン(ラバーカップ)も、ベランダ排水溝のつまり解消に活用できることがあります。
圧力を利用してつまりを解消する方法なので、排水管が完全につまっているときに有効です。
適切なスッポンの選び方
スッポンには洋式用と和式用の2種類がありますが、ベランダの排水溝つまりには洋式用のスッポンを使用してください。
洋式用の方が排水溝の形状にフィットしやすく、効果的に圧力をかけることができます。
ただし、注意していただきたいのは、ベランダの排水溝によっては金属の出っ張りがあったり、上階の排水パイプが接続されている構造もあることです。
このような場合は、スッポンが排水口にピッタリと当たらないため、この方法は使用できません。
圧力をかけた除去手順
ベランダの排水溝にスッポンがしっかりと当てられることを確認したら、押し引きを繰り返して排水溝内に圧力を与える作業を行います。
この圧力によってつまりの原因物が流れ、排水溝のつまりを解消することができます。
作業後は、溢れていた水が排水溝から流れていることを確認してください。
正常に流れるようになったら、つまりの解消は完了です。使用後のスッポンは、縁についた汚れをきれいに落として元の場所に戻しておきましょう。
ワイヤーブラシでの奥深いつまり解消
これまでの方法でも解消できない、より深い位置でのつまりに対しては、ワイヤーブラシを使用した方法が効果的です。
この専用道具を使用することで、手の届かない奥深い部分のつまりも解消することができます。
ワイヤーブラシの使い方
ワイヤーブラシは、トイレや排水管のつまり解消用の専用道具で、商品によって3メートル、5メートル先のつまりまで対応できます。1,000円から2,000円程度で購入できるものもありますので、もしものトラブルに備えて準備しておくことをおすすめします。
ワイヤーブラシを使用する前に、必ずトングなどの方法を試してから使用してください。
ワイヤーブラシは、つまりの原因を削りながら排水管内を掃除していくものです。
効果的な動かし方のコツ
ワイヤーブラシの先端をベランダの排水溝に入れ、つまりの原因部分に到達するまでワイヤーをまわしながら伸ばしていきます。
奥まで進まないところまで到達したら、つまりの原因部分に当たったと判断してください。
ワイヤーブラシを回して、つまりの原因物を削り取ることでつまりを解消します。
汚泥や葉っぱであれば問題なく取り除けるはずです。
ベランダの排水溝の水が正常に流れるようになったら、つまりの解消は完了です。
でうsが、ワイヤーブラシは固形物のつまりには向いていません。
木の枝や動物の死骸などの固形物の場合は他の方法を試しましょう。
水道業者による高圧洗浄での解消


自分でトングやスッポン、ワイヤーブラシを試しても解消できないベランダの排水溝つまりには、水道業者による高圧洗浄での解決が効果的です。
私たち水道修理のプロが使用する高圧洗浄機は、市販品とは比べ物にならない強力な水圧で、頑固なつまりも確実に解消することができます。
自分で解消できない場合の判断基準
水道業者に依頼するタイミングの判断基準をご説明します。
まず、自分で複数の方法を試しても水の流れが改善しない場合は、自力での解消は困難です。
具体的には、トングでの除去、スッポンでの圧力除去、ワイヤーブラシでの掻き出しをすべて試しても、水が全く流れない状態が続く場合です。また、作業中に排水管の奥から異臭がする場合や、排水管から逆流してくる場合も、配管の深い部分でのつまりが疑われます。
さらに、排水溝周辺に水が溢れて建物への浸水リスクがあるような緊急時も、水道業者対応にすることをおすすめします。
特に集合住宅では、階下への水漏れ被害を防ぐため、早急な対処が求められます。
高圧洗浄の作業内容と効果
高圧洗浄による作業は、まず排水管の状況確認から始まります。
専用カメラで配管内部を調査し、つまりの位置と原因を正確に把握します。
実際の高圧洗浄では、業務用高圧洗浄機を使用して水圧10MPa以上の強力な水流で配管内を洗浄します。
この水圧は、一般的な家庭用高圧洗浄機の約3倍の威力があり、葉っぱや砂の堆積、油脂汚れまで確実に除去できます。
また、つまりの状況やパイプの太さに合わせて先端のノズルを変えることで様々な詰まりに対して対処可能です。
洗浄方法 | 効果 | 対応できるつまり |
---|---|---|
高圧水流洗浄 | 配管内壁の汚れ除去 | 砂・土・油脂汚れ |
回転ノズル洗浄 | 360度全方向洗浄 | 頑固な付着物 |
吸引作業 | 洗浄した汚れの回収 | 葉っぱ・繊維くず |
作業後は配管内が損傷していないかの確認も行います。
特に築年数の古い建物では、高圧洗浄の衝撃で配管に亀裂が生じる可能性があるため、作業後の点検で安全性を確保しています。
修理費用の目安
ベランダ排水溝の高圧洗浄費用は、つまりの程度。作業時間、パイプの長さによって決まります。
一般的な費用相場をご紹介します。
作業内容 | 費用目安 | 作業時間 |
---|---|---|
軽度のつまり除去 | 8,000円~15,000円 | 30分~1時間 |
高圧洗浄(標準) | 15,000円~25,000円 | 1時間~2時間 |
配管調査込み作業 | 25,000円~40,000円 | 2時間~3時間 |
費用には出張費や基本料金が含まれることが多く、事前に見積もりを取って総額を確認することが大切です。
深夜や早朝の緊急対応では、割増料金が発生する場合があります。
※水の救急隊では時間割増料金はありません。
また、配管の破損が発見された場合の修理費用は別途必要になります。
例えば、配管の部分交換では3万円から5万円程度の追加費用がかかることもあります。
信頼できる業者であれば、作業前に詳細な説明と見積もりを提示しますので、不明な点は遠慮なくお尋ねください。
ベランダ排水溝つまりの予防対策


ベランダの排水溝つまりでお困りになる前に、日頃からできる簡単な予防対策をご紹介いたします。
ベランダのつまりが発生してから対処するよりも、未然に防ぐ方が時間も費用も節約できるため、ぜひ実践していただければと思います。
定期的な清掃とメンテナンス
ベランダ排水溝つまりの最も効果的な予防対策は、当たり前かもしれませんが定期的な清掃を行うことです。
現場でよく目にするのは、少しずつ蓄積された汚れが原因となってつまりを起こしているケースです。
具体的な清掃方法として、月に1回程度はベランダ全体を簡易チリトリとほうきを使用して掃除することをお勧めしています。
土や葉っぱ、小さなゴミなどを丁寧に取り除き、必ずゴミ袋に捨てるようにしましょう。
この際、排水溝の中にゴミを掃き込んでしまわないよう注意が必要です。
また、雨の日や台風の後には特に注意深くベランダの状況を確認するクセをつけましょう。
水の流れが以前より悪くなっていないか、排水溝周辺に新しいゴミが蓄積していないかをチェックしましょう。
「ビニール袋が飛んできて詰まっていた」なんてことがよくあります。
清掃頻度 | 確認項目 | 使用する道具 |
---|---|---|
月1回 | ベランダ全体の掃除、排水溝周辺の汚れ除去 | ほうき、チリトリ、ゴミ袋 |
雨天後 | 水の流れの確認、新たなゴミの蓄積 | 目視確認 |
3ヶ月に1回 | 排水溝内部の点検、異物の除去 | ライト、軍手、トング |
排水溝キャップの設置
ゴミが飛んでくるとわかっているのなら、ゴミ除けのキャップを付ければ改善できることがあります。
排水溝キャップの設置は、つまりの原因となる大きなゴミの侵入を効果的に防ぐ方法です。
ホームセンターや通販で購入できるベランダ排水溝用のゴミ除けキャップを取り付けることで、ビニール袋や大きな葉っぱなどの侵入を大幅に減らすことができます。
排水溝キャップを選ぶ際のポイントとして、お使いのベランダ排水溝のサイズに適合するものを選ぶことが重要です。サイズが合わないと、隙間からゴミが入り込んでしまったり、水の流れを妨げてしまう可能性があります。
設置後は月に1回程度、キャップに溜まったゴミを除去するメンテナンスを行いましょう。
キャップ自体が汚れで詰まってしまうと、本来の効果を発揮できなくなってしまいます。
取り外しが簡単な設計のものが多いので、定期的な清掃も手軽に行えます。
ただし、キャップを設置していても完全につまりを防げるわけではありません。
砂や小さな繊維くずなどは通り抜けてしまうため、定期的な清掃と組み合わせて行うことで、より効果的な予防対策となります。
キャップの設置と定期清掃を両方実践されているお客様のベランダでは、つまりトラブルの発生頻度が大幅に減少しています。
まとめ
ベランダの排水溝つまりは、葉っぱや砂、ビニール片などが原因で発生しますが、適切な方法を行えば自分でも解消できます。
軽度なつまりであれば、トングやスッポン、ワイヤーブラシを使って自分で対処することが可能です。
しかし、奥深くのつまりや水が全く流れない場合は、無理をせず専門業者に依頼することをおすすめします。
最も重要なのは予防対策で、定期的な清掃と排水溝キャップの設置により、つまりの発生を大幅に減らすことができるでしょう。